萬屋錦之介
浅間の伊太郎
錦之助が旅鴉に扮して主演する股旅もの。「若君千両傘」の共同執筆者・村松道平のオリジナルシナリオを、「小天狗霧太郎」の河野寿一が監督、「一心太助 天下の一大事」の坪井誠が撮影した。「一心太助 天下の一大事」の中村錦之助をはじめ、丘さとみ、大川恵子・薄田研二らが出演。
悪名高い新町の重蔵をたたき斬った浅間の伊太郎は、草鞋をはいて旅に出た。道中、土地のゴロツキにからまれていた巡礼親娘を救った伊太郎は、上尾の佐兵衛親分のもとに草鞋をぬいだ。佐兵衛は病気で、それにつけこんだ赤間の金平に縄張りを奪われていた。涙ながらに語る娘・お君の言葉が終らないうちに、伊太郎は長脇差片手に飛び出していった。金平を斬った伊太郎は、再び草鞋をはいた。途中、また巡礼親娘に出会った。その時、金平の乾分たちが三人を囲んだ。所詮彼らは伊太郎の敵ではなかったが、巡礼・吾平が傷ついた。吾平を背負った伊太郎と、娘・お加代の三人は、土地の親分・虎五郎の世話になった。一宿一飯の義理から、伊太郎は虎五郎の女房・お君とかけ落ちした利吉を斬った。が、利吉は苦しい息の下から「お君は俺の女房だ、虎五郎が……」というのだ。当の虎五郎は、好色な目を光らせ、お加代に襲いかかっていた。そこへ駈けつけた伊太郎、虎五郎をぶった斬った。--お加代の腕をとった伊太郎が、故郷の母のもとへ現れた。堅気になって戻ってくるまで、お加代を預ってほしいと言った。半年、長くて一年、それまでには必ず帰って参りますから、と念をおして。
浅間の伊太郎
お加代
お君
吾平
おしま
越生の虎五郎
お仙
利吉
勘三
千太
ちょろ松
新町の重蔵
山崎左太夫
岡部の庄兵衛
徳三
治助
赤間の金平
三太
梅吉
与吉
上尾の佐兵衛
平吉
おきん
おまち
医者
女中
竹田憲庵
旅人
おみつ
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