黒川弥太郎
加納源三郎
島田一男の原作から「赤胴鈴之助 黒雲谷の雷人」の渡辺実と「銭形平次捕物控 雪女の足跡」の牧田行正がそれぞれ監督撮影を担当した探偵時代劇。
清和源氏の末孫・鬼堂家の嫡男である新之助が、能の積古のとき血を吐いて倒れた。命に別はなかったが、跡目相続を目前にしてのことである。意外にも、妻の政代は少しも驚かなかった。--先代の急死にも疑わしいところがあった。屋敷をうかがう忍者がいたり、新之助の義妹・琴江が宿下りの途中、忍者の一団に襲われたりした。新之助が倒れたのは腰元に毒を盛られた故らしかった。新之助と同門の兄弟子・浪人者の源三郎は大目付笠間の甥にあたる。彼は鬼堂家の家門と財産を狙う者の仕業と見たのだ。鬼堂家の御霊屋で、跡目相続披露の能会が開かれ、先代の妾腹の子・陣十郎やその妹千浪などが集った。が、新之助は遺書を残して行方をくらまし、のち顔の判別もつかぬほどの惨死体となって発見された。後見役の白河帯刀が陣十郎の呼びだしをうけたが、御霊屋で死体となっていた。源三郎が法玄和尚の案内で新之助の墓に詣でたとき、矢文が飛んできた。新之助が安宅橋で待つという。行くと、なるほど、新之助の能衣裳に能面をつけた姿がある。が、そのうしろから刺客の一団が現れ、襲ってきたのだ。かれらが逃げ去ったあとに残された能衣裳には、なぜか女の移り香があった。--政代が湯槽で変死した。兇器は鎧通しだ。彼女は姙んでいた。死んだはずの新之助の書いた文が現場に残されていた。--陣十郎はとまどった。政代の身ごもったのは彼の子なのだ。彼は政代や帯刀と共に新之助を殺してお家乗取りをたくらんだのだ。--琴江がこれらの事件の犯人として、大目付から捕えられた。悪人たちが喜んでいたとき、源三郎が現れた。新之助の衣裳を着て。彼はすべてを見抜いた。陣十郎らの陰謀も、琴江が養母の藤乃の身代りになったことも。藤乃は亡き息子の復讐をしたのだった。陣十郎とその妹はさし違えて死んだ。--藤乃は自害していた。
加納源三郎
鬼堂新之助
鬼堂琴江
鬼堂政代
芸者菊葉
鬼堂求女
大沼陣十郎
妹千浪
魚屋金八
坂井重兵衛
法玄和尚
白河帯刀
笠間備中守
鬼堂藤乃
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むささびの伝次
村田嘉平
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浪人二
芸者小えん
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