大村文武
月光仮面
おなじみ月光仮面シリーズの一篇。川内康範の原作を、「月光仮面 怪獣コング」の織田清司が脚色、新人島津昇一が監督した。撮影は「地獄の底までつき合うぜ」の西川庄衛。
大豪雨の夜、東都大学の研究室で鈴木博士が絞殺され、助手の藤田も姿を消した。翌朝、祝探偵は五郎八を連れて現場へ急行した。博士のメモには電話番号が記されていた。メモに書かれた電話主は鉱脈を探す山師大岡鉄蔵とわかるが、彼は鈴木博士との関係を否定した。しかし大岡の娘はる子から、大岡が重大な鉱石の鑑定を博士に依頼したことを聞いた。一方行方不明となっていた藤田が精神異常の状態で帰宅した。しかもその腕には“幽霊党”と記されていた。心霊学者鷹の羽道寛を訪ねた祝探偵は、そこで催眠術によって藤田助手が口を封じられたことを知った。しかも、それほどの術を使う者は、戦時中満州で最後をとげた竹林賢法しかいないとのことだ。その夜、黒覆面の一団が大岡家を襲い、娘はる子を連れ去ろうとした。と、現われた月光仮面。その早業によって、はる子は危いところを救われた。しかし大岡は、幽霊党の襲撃を恐れ姿を隠した。執拗に大岡を求めてやまない幽霊党は、はる子に魔手をのばし、月光仮面の活躍も手榴弾にはばまれて遂に捕われてしまった。一方幽霊党の求める鉱脈が、三ツ峰峠にあることを知った祝探偵は、幽霊党一味に化け彼らのアジトに潜入するが見破られ監禁されてしまった。幽霊党ははる子を救うべく現われた大岡を引き立てて三ツ峰峠へと出発した。その時、転落したと思われた月光仮面が現われた。しかし賢法の手がスイッチにかかり月光仮面は落し穴に落ち、一大音響と共に、一味のアジトは爆破された。今は用のなくなった大岡親娘の腕に拳銃が輝いた。その瞬間銃声と共に勇姿を見せたのは月光仮面--。急報で駈けつけた刑事達と幽霊党の乱戦、月光仮面と一味の首領の一騎討。そしてはぎとられた首領の覆面から現われた顔は、意外、鷹の羽道寛だった--。
月光仮面
袋五郎八
カボ子
繁少年
木の実
竹林賢法
おりん
幽霊党輩下A
幽霊党輩下B
幽霊党輩下C
松田警部
藤田助手
姉直子
大岡鉄蔵
大岡はる子
杉山刑事
野村刑事
長谷川刑事
鈴木博士
山本記者
吉川博士
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