夏木陽介
ハリー・健
「檻の中の野郎たち」の関沢新一の脚本を、「手錠をかけろ」の日高繁明が監督したハイティーン映画。撮影は「社員無頼 (怒号篇)」「社員無頼 (反撃篇)」の逢沢譲。
ジャズ喫茶につめかけたハイティーン達は、ジミー山本の出現にわき返っていた。一介のバンドボーイでしかない健は人気のなくなった舞台で激しい音楽への情熱を燃やしていた。だが彼のこの生活も、細々と暮す母親タネにとってはどうしても理解できない。タネは健の友人隆吉の生真面目さがわが子にないことが悲しく、その上やがては隆吉と一緒にと思われている工場の一人娘マリが健に心惹かれているのに人知れず心を痛めていた。人気に溺れたジミー山本は、彼を育てた美貌のマネージャー田代富佐を裏切り、悪質興行師仙坂の引抜きに応じた。目前に控えたテレビの公開放送、ジミーは現れない。富佐は一瞬困惑したが、健のことを思い出した。健はハイティーンの英雄となった。ジミー山本の人気は衰退し、あてが外れた仙坂は人気絶頂の健たちに、引抜きの手をのばした。しかし健はそれを拒絶した。父親にしかられてマリが健を追い求めてきた。健は彼女を抱いた。その時再び引抜き交渉に仙坂の子分がやってきた。無論、健はその場で申し出を一蹴した。怒った仙坂は“人気歌手の情事”と健とマリの二人を赤新聞に書き立てた。勝気なマリは、記事を取消せと、仙坂の事務所に乗りこんだ。マリを捕えた仙坂は、彼女を囮りに健を呼び出した。マリを探しにアパートへ来た隆吉と共に健は仙坂の事務所に向った。乱闘の末仙坂もKOされた。怒る隆吉にマリはすがりついた。恋も情も人気も、全て振り飛ばすかのごとく健は車を疾走させた。と、突然突きさすようなヘッドライト、ハンドルを切り損った車は田圃に転がり落ちた。健の身体はもはやステージに立つことは不可能だった。
ハリー・健
母タネ
隆吉
マリ
父源太郎
田代富佐
ジミー・山本
Q坊
牧プロデューサー
仙坂
有馬
戸田
三崎
乾分
司会者
歌手
歌手
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