レイモン・サン・ジャック
David_Rowe
「脳移植手術」で、脳は白人体は黒人の検事を中心に、婦女暴行事件、さらに愛と友情、夫婦と人種問題を描く。総指揮はヘンリー・S・ホワイト、製作は脚本のコンビのシーレッグ・レスターとリチャード・ウェッソン、監督は「ニューヨークの顔役」のロバート・スティーヴンス、原作はクリス・ストラットンの「人間改造」から。撮影は「まごろこを君に」のアーサー・J・オーニッツ、音楽はジャズ界の大御所デューク・エリントン、編集をドナルド・ギンズバーグがそれぞれ担当。出演は「ロールスロイスに銀の銃」のレイモン・サン・ジャック、「底抜け00の男」のスーザン・オリバー、「誇り高き戦場」のレスリー・ニールセン、ジャネット・マクラクラン、ドネリー・ローズなど。
敏腕刑事デビッド・ロー(レイモン・サン・ジャック)は外見は黒人であるが、頭脳は白人である。彼は全世界の注視の中で「脳移植手術」を受け、生まれ変わった男だった。白人のデビッド検事のころの友人の市長や州議会議長、仲間の検事などの周囲の人々は、黒人になった彼を、冷たい眼でむかえ、妻のマーガレット(スーザン・オリバー)は、彼に対する愛を持ち続けながら、一方では以前のような夫婦生活を行いえないでいた。また、黒人の肉体であったときの妻エリザベス(ジャネット・マクラクラン)も肉体だけ黒人の彼を冷たくあしらうだけだった。そんな周囲の思惑をよそに、デビッドは復職して「黒人女暴殺事件」を担当する。容疑者として逮捕された保安官ウェッブ(レスリー・ニールセン)は白人のため、市民の同情は彼に集まり、裏付け調査は難行する。彼は検事補ロジャー(ドネリー・ローズ)の協力を得て、事件究明に拍車をかける。そんな時、彼は検事総長から担当をおりるよう命ぜられる。その背後の黒い影を彼は察するのだが、黒人ゆえの抵抗の壁は厚く、休養を余儀なくされる。しかし、彼は限界ギリギリの地点で執拗にねばった。突然、州知事が訪問してきた。話は事件から手を引けというのだ。彼は娘のスキャンダルを暴露するぞと逆襲して調査を続けた。公判が始まった。デビッドの強引なやり方に裁判長は怒るが、彼が昔、KKK団の幹部であった事実をネタに封じてしまう。デビッドの手腕は冴え、「俺が殺ったんじゃない!」と叫ぶウェッブは追いつめられるが、新事実が判明した。最終公判で「起訴を却下します!」とデビッドは言った。彼を味方と思いこんでいた黒人たちは、彼が裏切ったと思う。しかし、真犯人はやはり別にいたのである。事件は解決し、大きなミスをデビッドは犯した。自分の社会的地位を傷つけ、妻の愛も失ったデビッド--そのころ、マーガレットは悩んでいた。そんな彼女を勇気づけたのは「白人の男が黒人の女を愛していた」というウェッブ事件だった。「愛していれば、肌の色など関係ない」と思った彼女は、デビッドを探しに出かける。だが、空港で彼を見つけたとき、すでに彼は孤独の旅へ出るところであった。
David_Rowe
Margaret
Sheriff_Webb
Elizabeth
Roger
監督
脚本、製作
脚本、製作
原作
製作総指揮
撮影
音楽
編集
[c]キネマ旬報社