七色の花
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七色の花

1950年10月14日公開、101分
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原作は、東西朝日新聞に連載された中山義秀の小説「七色の花」、脚色には清島長利、新藤兼人、舟橋和郎、八木保太郎のシナリオ作家協会のメンバー四名が共同脚色に当っている。この映画は、東横映画が、芸術祭参加作品として製作、マキノ光雄(滿男)、近藤經一、柳川武雄が企画を担当している。演出は、「愛の一家」で名をなした春原政久が「毒牙」に次ぐ作品。撮影は、「女性対男性」「ジルバの鉄」の永塚一栄が当っている。出演者は、文学座の杉村春子と、原節子が「野性」に次いで出演、「山の彼方に」の角梨枝子、文学座の丹阿弥谷津子の女優陣に、主役海老原を龍崎一郎が演じる。

ストーリー

中村小萩は、娘時代から、財界政界に名を知られた近藤という男に囲われてきた。いまや中年増に近い色気盛りの女性であるが、海辺の小粋な住居に一人で住んでいる。海岸でふと知り合った泉太平という文学青年から、作家海老原の噂を聞いて、好奇心を刺激され、太平を通じて知り合いになり、交際が始まる。海老原は復員当時街で拾った戦災孤児の一枝と書生の桜井と三人で、暮しているが、年頃の娘となった一枝は、海老原の許へ、小萩のような妖しい女性が訪ねて来ると、無性に腹を立てたり、書生の桜井に好意を持っているが、彼が彼女に対して無感動なのにじれたりしている。海老原は、小萩を知るに従って彼女と結婚してもよいという気持になるが、彼女の背後にある近藤という人物にこだわりを持って、心を決めかねているとき、柏木照子という清楚な女性の出現に何とはなしに心を惹かれる。照子は海老原の大学時代の先生の娘で狂気した父の看病をして白浜海岸に住んでいたとき一度訪ねてくれた海老原に思慕の情を寄せ、父が死ぬと海老原を頼って来る。このとき海老原は、小萩と一緒に磐梯山へ逃げようと約束して、東京駅で小萩を待っているが、小萩は泉太平の軽い犯罪事件の証人に立つため警察へ呼ばれ海老原は小萩の不参を近藤との解決がつかないためと誤解して、一人で磐梯山へ発って行った。山の宿で、一人傷心の思いに悩んでいた海老原の許へ訪れたのは、一枝から行先を聞いて来た照子であった。海老原から、自分の傍にいて、自分の仕事の手伝いをしてくれと言われた照子は天にも昇る心持で、生涯海老原の許を離れないことを心秘かに誓った。しかし、小萩もまた山の宿へ駆けつけて来た。海老原と小萩のただならない様子を見て照子は二人の関係を悟り、自分の唯一の夢が破れたのを知った。そして湖に身を投げてしまう。しかし照子は救われた。小萩は自分の過去を思って、清純な照子の情熱に海老原を譲る決心をする。海老原の家で、照子が新妻姿も初々しく、新しく結ばれた桜井と一枝や海老原の友人たちに囲まれて楽しく談笑しているとき、再び芸者に出ることになった小萩は新橋演舞場の「東おどり」の舞台で一人舞っていた。

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作品データ

製作年
1950年
製作国
日本
配給
東映
初公開日
1950年10月14日
上映時間
101分
製作会社
東横東京


[c]キネマ旬報社