ある夜ふたたび
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ある夜ふたたび

1956年6月8日公開、99分
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「たけくらべ」を監督した五所平之助が「こころ」の長谷部慶次と共同で脚本を書いた、五所監督の本年度第一回作品である。撮影は「嫁ぐ日」の宮島義勇。主な出演者は、「婚約三羽烏」の佐野周二、「銀心中」の乙羽信子、「ホガラカさん (二部作)」 の野添ひとみ、「唄祭り 江戸っ子金さん捕物帖」の北原隆、「足のある幽霊」の坂本武、「警視庁物語 魔の最終列車」の千石規子、「嫁ぐ日」の若山セツ子など。

ストーリー

パチンコ機械製造会社に勤めていた志田文三は、連発式廃止で失業した。暗い顔の文三、それに引換え妻あき子は明るく、変らぬ表情を示していた。そんな時、姪の初美が大阪から上京、文三は一層いらいらするが、あき子は初美と意気投合、東京見物をしようと言う。失業の身で、と文三は妻を責めるが、あき子は夫の就職が決るまで結婚前に勤めていた旅館に再び女中に出るから安心して下さいと励ますのだった。別居生活へ一時の別離を惜しんで二人は温泉旅行を計画するが、それを聞いた初美は、友達の病気に一万円貸してくれと頼んだ。文三がその申出を断ると信頼を裏切られた初美は失踪した。淋しく終った温泉旅行--翌日から、あき子は女中に出た。文三は連日、職安に通ったが思わしくなく、加えて泊り客に度度接する妻への嫉妬に心は焦るばかりであった。ある夜、あき子が突然行方を昏ました。客との逢引かと噂は乱れ飛び文三は愛を確かめようと、あき子を探したが、そこで得たのは、妻がかつて木場の問屋で、米山という老婆と狂人の息子の世話になっていたという意外な過去であった。疑惑に満ちて帰宅した文三の前に、相変らず笑顔のあき子が帰って来ていた。文三の職が見つからぬので働くために、友達のいる千葉で子供をおろして来たのだという。米山の所を逃出したのも、育てられた義理で狂人と結婚しなければならぬ奴隷的立場から、人間として生きて行こうとした為であったことを打明けた。あき子と文三は子供をおろしに行くことを相談しなかった事で喧嘩した。だが、愛するため、生きて行くための苦しさ--文三も理解した。「今日から再出発だ!」文三の強い言葉に二人は新しい人生を踏み出した。

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作品データ

製作年
1956年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1956年6月8日
上映時間
99分
製作会社
歌舞伎座


[c]キネマ旬報社