内藤剛志
芥田労
初めて主役を演じることになった悪役専門のベテラン俳優の情熱と家族の絆を描くドラマ。新田たつおの原作を「バカヤロー!3 へんな奴ら」(90)の一挿話『こんなに混んでどうするの』やビデオ映画「静かなるドン」などを手がけた鹿島勤が監督。脚本は鹿島と大津是の共同。撮影は「ソナチネ」の柳島克己が担当。
美貴と静香の父親・芥田労はベテランの悪役俳優。妻を失くしてからは酒もピタリとやめ、ひたすら殺され役専門で奮闘しているが、娘たちはそんな姿を同級生から馬鹿にされ恥ずかしく思っている。彼女たちの不満に応えることも出来ず、芥田はいつものように行きつけの店で後輩の托合と夕飯を取ったり、汚れ役に初めて挑む元アイドルの元花幸恵を巧みに勇気づけたりしていたが、そんなある日彼にも初主演のチャンスが巡ってきた。女房を殺された油問屋の悪太郎が二人の娘を女郎屋に売り飛ばし、悪の道をひた走りながら下手人を追い詰めるという大型時代劇『極悪人への道』で、芥田は自分自身の人生をその悪太郎に重ねながら執念を燃やし演じていく。元花演じるお吉に心を寄せながら、やがて撮影は佳境を迎えた。しかし、娘たちは相変わらず芥田に冷たい。いくら主役とはいえ、極悪非道の男をまたも父が演じることが恥ずかしいのだ。おまけに元花は二枚目スターの日色と婚約。いいことなどさっぱりなく、作品は完成した。しかし、試写を観た美貴と静香は、銀幕の中で一生懸命生きようとする我が父親に初めて感動し、自分たちの非を認めて泣きながら芥田を称えるのだった。
監督、脚本
脚本
原作
製作
製作
撮影
音楽、歌
美術
編集
照明
録音
企画
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
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