唐沢寿明
羽野一樹
エリートコースから脱落した高校の体育教師と、薄幸の女子高校生との禁断の恋をセンセーショナルに描くドラマ。視聴率三〇パーセントを越える大人気を得た同名のTVドラマの映画化だが、ストーリーは全く変わり、また主演の二人もTV版の真田広之と桜井幸子から唐沢寿明と遠山景織子(新人)にバトンタッチしている。野島伸司の原作・脚本、「喜多郎の十五少女漂流記」の吉田健が監督とこれはTV版と同じスタッフで、撮影監督は「あひるのうたがきこえてくるよ。」の高間賢治が担当。また、牧野亮子役の鈴木杏樹も本作が映画デビューとなる。
ラグビーの次期日本代表と目されていた羽野一樹は試合中の事故で親友・牧野武志を植物人間にしてしまい、華やかなエリートコースを閉ざして女子高校の体育教師になった。夏の初めのある午後、一樹はコンビニエンスストアで万引きをしていた柏木繭と出会い、自分も共犯者となって逃げ出す。一樹が水泳部の顧問をすることになると、幽霊部員だった繭も部に通うようになった。一方、武志の妹の亮子は密かに一樹のことを愛していたが、思い悩む彼の姿を見かねて遂に武志の生命維持装置を止めてしまう。親友が死んだと慟哭する一樹に、そっと笑顔で歩み寄る繭。二人はいつしか心を通わせるようになっていった。繭の入っていた『白百合寮』では音楽教師で寮長の榊美和が、特に男女交際に対する病的なまでの嫌悪感で生活指導に当たっており、ただでさえ目をつけられていた繭はますます敵視されるようになる。夏休みに入ると他の生徒は皆実家に戻るが、母は出産とひきかえに死に、父親からは憎まれている繭だけ一人寮に残った。繭に対する美和の嫌がらせはエスカレートしてゆき、その争いは、遂に美和が繭に階段から落とされ片目を失うまでに至った。一方、繭の実家の庭からは父親の死体が発見される。愛された記憶のない繭が、母親の写真を焼こうとする父を制するあまり射殺してしまったのだ。繭の隠れる廃船へ向かおうとする一樹は、彼を引き留めようとする余りの亮子に刺されてしまう。それでも繭の元に向かう一樹。出血多量で倒れる一樹をそっと抱きかかえながら、繭は拳銃を握り締めた。海岸に一発の銃声が響いた。
監督
脚本、原作
製作
製作総指揮
製作総指揮
撮影監督
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
企画プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
歌
キャメラオペレーター
スチール
スチール
スクリプター
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