差出人不明のラブレターをもらった主人公が、その相手を探す日々を描く、ミステリー要素のある青春映画。伊丹発の自主映画「下駄とジャズ」、「ひとけたの夏」などの撮影を担当した横山健二が自身の体験をもとに脚本・監督・撮影を務めた作品で、先に九二年十一月の伊丹映画祭で公開された(東京地区では本年五月二十九日に公開後、さらに七月十日より「「フィリップ君。」」と同時上映で、伊丹映画祭実行委員会=プロダクシオン・ゾオン配給により公開)。ナレーターは岡秀樹。16ミリ。
ストーリー
俺(主人公)は大学に入って初めての春休みのある日、いわゆるラブレターを受け取った。住所不明、差出人不明で、少女漫画的なその内容に、半ば疑いつつもその送り主を探し始める。やがて半年に及ぶ捜査と推理の末、ようやく差出人の友人だという高校時代の同級生・星山さんにまでたどり着く。俺はその女の子へ向けた手紙を星山さんに渡すが、それきりその返事もなく、星山さんとも会うことなく日々が過ぎていった。果たして、差出人は実在したのか、それとも星山さんの悪戯だったのか、今となっては知るよしもない……。
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