結婚行進曲(1928)
結婚行進曲(1928)
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結婚行進曲(1928)

1928年公開
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エリッヒ・フォン・シュトロハイム氏がその初期の作品「アルプス颪」「愚なる妻」と同じく原作監督主演した作品で、脚色にあたって「戦艦くろかね号」「男子起たば」のハリー・カー氏と共同しているとはいえ全編フォン・シュトロハイム氏の創意によって製作されたもの。助演者は氏が抜擢したフェイ・レイ嬢(「空行かば」「罪の街」出演)を筆頭に「グリード」のザス・ピッツ嬢、「悪魔の合鍵」のモード・ジョージ嬢、「熱血拳闘手」のマシュー・ベッツ氏、「燃え立つ戦線」のジョージ・フォーセット氏、「幸運の風」のジョージ・ニコルズ氏及びデール・フラー嬢、チェザーレ・グラヴィナ氏等の特異な芸風の俳優を網羅している。

ストーリー

1914年の晩春であった。ウィーンの聖ステフェン大伽藍に行われた聖体節の盛儀に列した騎兵大尉のニッキーは貧しい娘ミッチーと相識ったのである。ニッキーの家、ヴィルデリーベ・ラウフェンブルグ伯爵家は門閥ではあったが金はなかったので、彼は金持ちの娘と結婚せねばならぬはめになっていた。彼はウィーンの青年貴族の御多分にもれず放縦淫佚な生活を送っている漁色家だったので、儀式を拝観に集まった群衆の中からこのおぼこらしい美しい処女を見出すやいなや逸早く食指を動かした。そして彼女も貴族将校の凛々しい姿にある憧れの心を抱いたのだった。ところがニッキーの馬が物におどろいてミッチーを蹄にかけた。彼女を伴って来ていた肉屋のシャニーはニッキーを面罵して補縛された。ニッキーは警官からミッチーが遊園地に雇われて竪琴を弾いている娘であることを聞き彼女を病院に見舞った。そして彼女が退院するとたびたび遊園地を訪れ、月朧な春の夜を林檎の花の下に、水青きドナウ河のほとりに、恋を囁き愛を語った。ミッチーの母は彼女をシャニーの嫁にするつもりだったが、ミッチーはついに処女として最後のものさえニッキーに捧げた。しかしこの間にニッキーの父母は膏薬成金のシュヴァイセルの一人娘を伯爵家の花嫁にすべく縁談を進めていた。女をあさり尽くしたニッキーはミッチーに誠の愛を見出したと思った。彼のために選ばれたチェチェリアは足が不自由で醜かった。しかも彼はミッチーをすてて足の不自由な花嫁を迎えなければならないのだった。刑務所から出て来たシャニーは執念くミッチーを口説いたが彼女は冷ややかだった。ニッキーの婚約が新聞に伝えられても彼女の心はシャニーには傾かなかった。シャニーは怒った。彼は恋仇の結婚式の日拳銃を握って式場の外に待っていた。どしゃぶりの雨に濡れてミッチーもふるえていた。愛し合っていない新郎新婦が神の名において結ばれた。結婚行進曲に送られて聖堂を出てくる新伯爵婦人は家鴨のような足どりだった。シャニーが握りしめた拳銃をニッキーに向けたときミッチーは、なにとぞ射たないで・・・・私はあなたときっと結婚します。とシャニーに誓った。彼女の頬を滝のような涙が流れていた。ニッキーは新婦と共に馬車に乗り、降りしきる雨の中を走り去った。彼の目がしらにも涙が光っていた。1914年の晩春であった。雨がざんざと振りそそぐ日だった。

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作品データ

原題
The Wedding March
製作年
1928年
製作国
アメリカ
配給
パラマウント支社
初公開日
1928年
製作会社
パラマウント映画


[c]キネマ旬報社