勝新太郎
流れ星の雨太郎
角田喜久雄の原作を、「化け猫御用だ」の民門敏雄が脚色、「鳴門の花嫁」の田坂勝彦が監督した怪奇スリラーもの。「千代田城炎上」の相坂操一が撮影した。
信州の南、将棋谷に平家の末裔の集落がある。田々羅将監を長とし、莫大な財宝があるという。公儀隠密貝原は宝のありかを示す“瑞宝”という王将(駒)を手に入れ、幼いみどり姫を人質に逃れたが、たおれた。姫を川の筏の上に残したままだ。--十五年後、江戸。さそりを使う“さそり道人”が次々と子年生れの十九娘を殺していた。同時に、各所で王将の駒がなくなる事件が起った。御用聞き仁吉の娘お絹は十九で、父に似て腕がいい。将棋に負かした異様な風態の男・竜王太郎が王将を持ち去ったので、捕えようとした時、流れ星の雨太郎という男と知りあう。上総屋の娘お加代の祝言の夜、お絹は身代りになり、さそり党一人を捕えようとしたが、逃し、自宅にかくまったお加代は殺された。竜王太郎は田々羅一族の娘朱実と紅梅屋敷に住み、みどり姫と駒を探していた。前の町奉行鳥居甲斐は仁吉に逮捕を命じた。朱実の寝室に近づいたさそり道人を雨太郎がはばみ、仁吉も争いに加わったが、川の中に墜落した。手下は下手人を雨太郎と思い追った。お絹は父の死を半ば信じた。雨太郎は鳥居邸に捕われていた太郎を救った。--鳥居邸で十九娘ばかりの将棋大会が開かれた。お絹、朱実、女装した雨太郎も出場したが、将棋秘伝書の紛失を契機にお絹は捕われた。同じくつかまった雨太郎は牢でお絹のかんざしを拾った。中から王将が出てきた。さそり道人からお絹を救うため、彼はそれをさし出した。鳥居甲斐は妃お梶の方をみどり姫に仕立て、さそり道人と共に将棋谷へ向い、世継ぎの式を行った。太郎と朱実、雨太郎とお絹がかけつけ対決した。ラチがあかなかった時托鉢僧姿の仁吉が現れ、自分の娘とされていたお絹こそみどり姫だと告げた。露顕を悟った道人たちと乱闘になる。雨太郎こと公儀お庭番貝原(死んだ貝原の子)やお絹たちの活躍が悪を倒した。将棋谷の後継を朱実にし、お絹は雨太郎や父と共に江戸へ向った。
流れ星の雨太郎
竜王太郎
韋駄天紋平
田々羅朱実
お絹
お梶
神田川の兼三
上総屋の娘お加代
お米
鳥居甲斐守
さそり道人
連雀町の仁吉
仁吉の女中お蝶
仁吉の子分雄吉
おすい
腰元芳野
お光
おまつ
老女倉橘
貝原重吉
鳥居の配下金沢
魚丸
与力久米新十郎
金公
与力多田一策
大江清兵衛
五郎太
吉備十右衛門
樋貝六郎次
佐々松蔵
大工源八
岡ッ引三次
鳥居の配下有川
鳥居の配下水野
成平
香兵衛
銀平
下ッ引伝六
友井初水
馬助
鳥居の腰元
鳥居の腰元
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