いかりや長介
いかり亭長楽
東京の下町を舞台に、落語の世界に生きる人たちの姿をコメディー・タッチで描く。脚本は「出所祝い」の田坂啓、監督は脚本も執筆している「喜劇 夜光族」の渡辺祐介。撮影も同作の荒野諒一がそれぞれ担当。
ここは、三重県のある城下町のストリップ小屋。ストリップの合間に小噺を一席ぶっている一向に目の出ない落語家なまづ家源五郎は、この興行を仕切っている県会議員の中本竜三が大の小柳ルミ子のファンであるのを知ると、ルミ子とは大変親しいと大風呂敷を広げてしまう。竜三はとりあえず手付金三十万円を彼に渡し巡業を頼んだから大変である。東京に戻った源五郎は、彼女の出演しているテレビ局に出かけるが、マネジャーから断わられガックリ。頭にきた源五郎は師匠の家に立ち寄ると、芸の説教をされ、果てはいかり亭長楽に変名させられる。その夜、気分一転とばかり長楽はいきつけの焼鳥屋で飲んでいるうち加藤ヒデオという青年と知り合い、無理矢理弟子にして、芸名もいかり亭茶楽と命名。二人は、長楽の幼馴染の今川焼屋高木の二階を借りた。その隣には、荒川忠次、文子、エリ子の三人兄妹が住んでいる。忠次はヤクザ者で、文子が二三代という名で芸者をして生計を立てていたが、その二三代に、長楽が惚れ、茶楽はエリ子に惚れてしまった。そんなある、屋賃の不払に業を煮やした高木の女房テツ子は、二階の一部屋を中本という学生に貸してしまう。数日後竜三が上京してきた。「東日本憂国同志会」の宴会が箱根で催され、その招待を受けたのだ。その夜、竜三は息子の工作を訪ね、今川焼屋にやってきた。襖一つ隔てた隣りの部屋に竜三がいることを知った長楽はガタガタ震えた。翌日文子に、ある政治家の二号になる話がもちあがった。義理と人情の板ばさみの末、彼女は二号になることを決心し、箱根の宴会場に向った。この話をエリ子から聞かされた長楽たちは芸者姿に扮装して箱根に向った。宴会はメチャクチャになり、そのため文子の二号になる話は解決したものの、長楽は竜三に見つかってしまった。それから一年後、一躍マスコミの寵児となった茶楽の後に、鞄持としての長楽の姿があった。
いかり亭長楽
加藤ヒデオ
中本工作
高木風太
荒川忠次
荒川文子
荒川エリ子
ぽん太
高木テツ子
長楽の師匠
三遊亭円八
健チャン
花柳のり輔
大真打ちの師匠
中本竜三
三隅信之助
小柳ルミ子
ゴールデン・ハーフ
監督、脚本
脚本
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
スチール
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