小津安二郎が松竹を離れ、はじめて新東宝で製作した作品。日本の伝統的な価値観を大事にし、ニヒリストめいた夫に耐え続ける姉と、そんな姉に反発する現代的な妹の対比を通して、戦後の日本の家庭の崩壊と、新しい日本社会の萌芽を描く。原作は大佛次郎の新聞小説。スランプに陥った田中絹代が再起をかけて挑んだ一作。妹を高峰秀子が艶やかに演じた。
ストーリー
何事にも保守的な節子(田中絹代)は、自由奔放に生きる妹の満里子(高峰秀子)と同居して面倒を見ている。夫・亮助(山村聰)が失業中なので節子はバー勤めをしているが、満里子には皮肉屋の夫に黙って仕えている姉のことが理解できない。京都にいる父・忠親(笠智衆)が余命いくばくもないと知った節子は、妹にはそのことを伏せ、二人で京都に赴く。そこで節子は初恋の相手であり、今は家具店を営んでいる田代(上原謙)と再会する。満里子は、姉の気持ちを知って、亮助、田代、そして姉に、正直な気持ちをぶつける。
スタッフ
監督、脚本
小津安二郎
脚本
野田高梧
原作
大佛次郎
製作
児井英生
製作
肥後博
撮影
小原譲治
音楽
齋藤一郎
美術
下河原友雄
編集
後藤敏男
照明
藤林甲
録音
神谷正和
助監督
内川清一郎
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- The Munekata Sisters
- 映倫区分
- G
- 製作年
- 1950年
- 製作国
- 日本
- 配給
- 新東宝
- 初公開日
- 1950年8月8日
- 上映時間
- 112分
- 製作会社
- 新東宝
[c]キネマ旬報社