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長谷川一夫
星野勘左衛門
成瀬巳喜男にとってはじめての時代劇。一六〇六年、京都の三十三間堂で初めて行われた通し矢を描いた作品。通し矢とは、朝六時から翌日の六時までの間に、六六間(119メートル)先の的に射る矢の数を競うもの。一六六八年、星野勘左衛門は一万五百四十二本の弓を放って、八千本を的に当てた記録を作ったが、十八年後、和佐大八郎が一万三千五十三本を放って、八千百三十三本を当てて新記録を作った。この出来事に基づいて小国英雄が脚本を書いた。
和佐大八郎の父親は、通し矢の記録を打ちたてたが、後に星野勘左衛門に破られ自害した。父の名誉を回復するために、十七歳の大八郎は毎日訓練に励む。勘左衛門は名を伏せて大八郎に弓矢の指導をし、遂には自分の記録を破らせる。
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