ヘロイン中毒に陥った若者たちの生態を、斬新な映像感覚で生々しく描いたドラマ。監督はテレビの演出を経てデビュー作「シャロウ・グレイヴ」をヒット作に押し上げたダニー・ボイルで、監督第2作の本作はカンヌ国際映画祭で話題を集め、またアメリカでもヒットを記録。原作はイギリスでカルト的人気を誇るアーヴィング・ウェルシュの同名小説(邦訳・青山出版社刊)。製作のアンドリュー・マクドナルド(「赤い靴」「黒水仙」の監督エメリック・プレスバーガーの孫)。主演は「シャロウ・グレイヴ」に続き起用された新進ユアン・マクレガー。共演は「リフ・ラフ」「司祭」のロバート・カーライルほか。また原作者のアーヴィング・ウェルシュも小さな役で顔を出している。
ストーリー
マーク・レントン(ユアン・マクレガー)は平凡な生き方よりも、「誠実で真実あふれる麻薬の習慣」を選んだ麻薬常習者の青年。彼は何度目かの麻薬断ちを決めた。仲間のシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)も麻薬を止めるが、それはレントンに嫌がらせをするためだ。麻薬よりも健全な性欲を満たすべく、レントンたちはディスコに行く。そこで彼はダイアン(ケリー・マクドナルド)という美女に魅かれて彼女の家でセックスする。翌朝、彼はダイアンが実は高校生だと知る。レントンたちは再び麻薬を始めた。それまで麻薬はやらなかったトミー(ケヴィン・マクキッド)も、恋人に振られた腹いせに麻薬を打ってくれという。皆が麻薬に耽っている間に、仲間のアリソン(スーザン・ヴィドラー)の赤ん坊が死んでいた。実はその赤ん坊の父親だったシック・ボーイは泣く。皆は慰めにさらに麻薬を打つ。レントンとスパッド(イーウィン・ブレムナー)が万引きで捕まり、スパッドは刑務所に。執行猶予になったレントンは本気で麻薬をやめようとして、禁断症状で地獄の苦しみを味わう。トミーは注射針からエイズに感染していた。麻薬を止めたレントンはロンドンに出て不動産屋に就職。だがそこに故郷の仲間たちが押しかける。まずは強盗で逃走中のベグビー(ロバート・カーライル)、それにポン引きになったシック・ボーイ。やがて彼は二人のせいでクビになり、3人そろって故郷に帰ると、トミーの葬式が行われていた。葬式のあとシック・ボーイが多量の麻薬取引の話を持ち出す。レントンは嫌々ながら仲間に説得され貯金を提供する。ベグビー、シック・ボーイ、スパッドの3人は2キロのヘロインを抱えてロンドンへ行き、1万6千ポンドで売る。その晩、レントンは儲けの入った鞄を持ち逃げする。翌朝、ベグビーが激怒して暴れ出し、警察に逮捕される。レントンはスパッドにだけは4000ドルの分け前が渡るように手配していた。彼はこれから、普通の生活をしてゆくつもりだ。
キャスト
ユエン・ブレンナー
ジョニー・リー・ミラー
ケヴィン・マクキッド
ロバート・カーライル
ケリー・マクドナルド
ピーター・ミュラン
ジェームズ・コスモ
アイリーン・ニコラス
アリソン・スーザン・ヴィルダー
ポーリーン・リンチ
シャーリー・ヘンダーソン
アーヴィン・ウェルシュ
スタッフ
監督
ダニー・ボイル
脚本
ジョン・ホッジ
原作
アーヴィン・ウェルシュ
製作
アンドリュー・マクドナルド
撮影
ブライアン・テュファノ
美術
ケイヴ・クイン
編集
マサヒロ・ヒラクボ
衣装デザイン
レイチェル・フレミング
字幕
石田泰子
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- Trainspotting
- 映倫区分
- R15+
- 製作年
- 1996年
- 製作国
- イギリス
- 配給
- アスミック=パルコ
- 初公開日
- 1996年11月30日
- 上映時間
- 93分
- 製作会社
- フィグメント・フィルム=ザ・ノエル・ゲイ・モーション・ピクチャー・カンパニー作品(チャンネル4 提供)
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