監督、構成
ナチス・ドイツの独裁者ヒトラーと、そのライバルのソ連の独裁者スターリンの生涯を、記録映像をもとに詩的に構成し、その静謐とした繊細さのなかにその歴史的犯罪とファシズムの恐怖を浮かび上がらせる映像詩。「ロシアン・エレジー」のアレクサンドル・ソクーロフ監督が最初の劇映画長編「孤独な声」に続いて製作した短編。音楽はバッハの無伴奏フルートソナタ、BMV1013。ナレーションや台詞、説明字幕など説明的な要素は一切排し、ただ赤い線と数字が映った黒い画面の枠内に、ヒトラーとスターリン、第二次大戦をめぐる記録映像の数々が投影されていく。