マリー・トランティニャン
Marie
今世紀初頭のパリを舞台に、絹の肌触りにのみエクスタシーを覚えるお針子の娘と、彼女と同じ習癖を持つ医師との悲恋を描いたロマンス。監督は「エミリー・ミュレール」(短編)で注目された俊英のイヴォン・マルシアノで、本作が長編デビュー作。脚本はマルシアノと「女の復讐」などジャック・ドワイヨン作品で知られるジャン=フランソワ・ゴイエの共同。撮影は「アメリカの贈り物」などの名手ウィリアム・リュプチャンスキー。製作代表は「チュニジアの少年」のシルヴァン・ブリュシュテイン。音楽は「イノセント・ライズ」のアレクサンドラ・デスプラ、美術は「悪魔の陽の下に」のカーチャ・ヴィシュコフ。主演は「メランコリー」のマリー・トランティニャン、「明日を夢見て」のセルジョ・カステリット、「フランスの思い出」のアネモーヌ、「革命前夜」のアドリアーナ・アスティほか。
今世紀初頭、パリ。お針子娘のマリー(マリー・トランティニャン)は百貨店で絹を盗んで失神していたのを見つかり、精神病院送りになった。マリーは絹の絹の肌触りにのみエクスタシーを覚える女性だった。一方、精神病医のガブリエル(セルジョ・カステリット)は、布地に情熱を覚えるという自分と同じ習癖のある彼女にひかれる。マリーはやがて彼がこの世で唯一の理解者と知り、彼に恋するようになった。第一次大戦。ガブリエルは従軍してモロッコへ。マリーは彼への想いを綴りたいゆえに、読み書きを学び始めた。4年後。釈放されていたマリーは書店でガブリエルの著作『絹の叫び』を見つけ、そこに自分のことが書かれているのを知った。やがてマリーは医師を辞めて美術講師になったガブリエルと再会。身分の違いも越えて、二人は愛しあうようになった。だが、幸せは続かず、マリーはまた盗みで逮捕され、ガブリエルは白内障にかかった。ガブリエルはマリーにはこのことを隠した。失意の彼を献身的に支えたのは、秘書のセシル(アネモーヌ)だった。ガブリエルはセシルの勧めで手術を受けた。が、術後、講演会に出席した彼は自分が完全に失明したことを知った。絶望した彼は数日後、自殺した。死後、彼の遺品の競売が行われ、自分の書いた手紙を探しに会場におもむいたマリーは、去り際にそれを渡された。帰ろうとした彼女の前を行く女の首から見覚えのある青いスカーフが落ちた。女はセシルだった。同時にスカーフを拾った二人の女は黙って見つめあうのだった。
Marie
Gabriel
Cecile
Madame de Villemer
Aude
Docteur Bellec
M?decin chef
監督、脚本
脚本
製作代表
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
録音
録音
録音
装飾布地
音楽製作
字幕
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