シャーリー・メイスン
Shirley_Brown_Alias_Molly
「メリー・アン」の前にできた映画で、例の通りメースン嬢お得意のコメディー。相手役は最近「モヒカン族の最後(1920)」に主役を演じたアルバート・ロスコー氏である。字幕に面白い工夫が施されている。「愉快な軽い喜劇」とニュース誌は賞めている。
結婚すると遺産がもらえるというので、シャーレーは自分の入る下宿屋へ新しく来た盲目小説家フィリップ・スミスが大好きな折柄早速結婚して、その金でフィリップをイタリアの名医のところへ治療にやる。視力を回復して帰米したときフィリップは下宿で結婚した女は老婦人であると誤解しているところから、そこへは帰らずある部屋を借りている。これを知ったシャーレーはフランスの乙女だと名のって下女にしてもらう。フィリップは妻ある身を自ら責めながら、この女に心を惹かれて行くが、もとより恋人と妻が同一人なら幸福に終わらぬ筈はないのである。
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