脚本
患者、元患者達へのインタビューによって、本当の日本近代ハンセン病の歴史を明らかにしていく記録映画。堂々と自分とハンセン病の歴史を語る彼等にして、現在の国家の対応には懐疑的である。ハンセン病という伝染病に対して、国家の面子を重じるあまり、近代日本政府は非人通的な措置をとった。それは近年の厚生省のエイズ対策にも通ずるものである。第53回毎日映画コンクール記録映画賞長篇部門を受賞。日本映画ペンクラブノンシアトリカル部門第5位。98年度キネマ旬報文化映画ベスト・テン第7位。16ミリ。
ストーリー
ハンセン病は人類の不幸な歴史のひとつであると言われてきた。1907年(明治40年)に「らい患者取締法」(予防法)が作られたが、元来、ハンセン病とは伝染力が弱く、戦後には新薬が開発されたにもかかわらず、それは予防法とはかけ離れた患者の強制的隔離を目的とする悪法であった。1996年(平成8年)に、この悪法は廃止されたが、患者達にとって、この90年間は苦闘の歴史そのものだった。