ジャン=ピエール・レオ
Marc
ポルシェに賭ける青年の恋と大人への成長を詩的でシュールなタッチで綴った青春映画。監督は「バリエラ」(66)「早春」(70)など、ロマン・ポランスキーと並ぶポーランド新世代の旗手と謳われたイェジー・スコリモフスキーで、母国を離れてベルギーで撮った監督第3作。脚本はスコリモフスキーとアンジェイ・コステンコ。撮影はウィリー・クラント。音楽はクシシュトフ・T・コメダで、主題歌のシャンソンはクリスチアーヌ・ルグラン。出演は,「大人は判ってくれない」「イルマ・ヴェップ」などヌーヴェルヴァーグの“顔”であるジャン=ピエール・レオ、「二十歳の恋」(レオと共演)「男性・女性」のカトリーヌ・イザベル=デュポールほか。
ブリュッセル。マルク(ジャン=ピエール・レオ)はカーレースに夢中な19歳の美容師見習いの青年。レースに出場するためどうしてもポルシェが欲しい彼は、知り合った美しい娘ミシェール(カトリーヌ・イザベル=デュポール)を巻き込んで、車を調達するため、あの手この手を算段。やっとのことで手に入れたポルシェに乗って、夜の町を飛び出してレース会場へと向かい、仮眠をとるためにホテルに宿をとった二人。だがレースが始まるその朝、マルクはレースの夢からさめてミシェールとの新たな人生の出発に旅立つことを決めるのだった。
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