ミルラン・アブディカリコフ
Beshkempir
思春期の少年の成長を静かなタッチで鮮烈に綴った青春ドラマ。監督は中央アジアはキルギスタン共和国の監督アクタン・アブディリカコフで彼の長編劇映画デビュー作(短編『ブランコ』が中央アジア映画祭にて上映)。脚本はアブディリカコフ、アヴタンディル・アディクロフ、マラト・サルル。製作はイリザイ・アリバエフ、セミドール・コラール。撮影はハッサン・キディリアレフ。音楽はヌルラン・ニシャーノフ。美術はエミール・ティレコフ。編集はティレク・マムベトワ。出演は監督の実子であるミルラン・アブディリカコフ、アルビナ・イマスメワほか。
とある農村。思春期を迎えたベシュケンピール(ミルラン・アブディリカコフ)は近所の仲間のアディールやバキトらとつるんでいたずらに励む毎日。性に興味を覚えはじめた彼は半裸になって水浴する太ったおばさんをのぞき見し、砂で女の裸の像をつくり、セックスの真似事をしてみる。そんな彼は村の少女アイヌーラに恋心を抱き、村にやってきた映写技師が女の子を呼び出して自転車でふたり乗りして走り去るのをうらやましく見守る。インド映画が広場で野外上映された日。厳しい父に映画へ行きたいと言い出しかねていた彼に、おばあちゃんがそっとお金を渡す。そっとアイヌーラの側へ近づくと彼女と目が合い、ふたりは微笑みあう。お互いに相手が気になり出したふたりだが、それを嫉妬したアディールとベシュケンピールは喧嘩になった。たたきのめされたアディールは「もらいっ子のくせに」と言って走り去る。出生の秘密を初めて知った彼は、おばあちゃんに問いただすが答えてもらえない。それを聞いた母はアディールの母に苦情を言いに行くが、逆に子供を産まなかったのをなじられるばかりだった。ひとりでいることの多くなった彼はアイヌーラが他の少年と自転車でふたり乗りしているのを見かける。彼は偶然会ったアディールとまた喧嘩し、そのことで父から殴られて家を飛び出す。そんなある日、おばあちゃんが亡くなった。父は彼女の遺言として、ベシュケンピールに彼が養子だと告げ、立派に育ってほしいことだけが願いだと語る。葬儀は彼が喪主だった。ベシュケンピールは映写技師から自転車を借り、バキトにアイヌーラを呼びに行かせた。彼は自転車に彼女を乗せてゆっくりと漕ぎ出すのだった。
監督、脚本
脚本
脚本
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
字幕
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