ジャック・ホルト
Adam_Larey
「恋の睡蓮」と同じテクニカラー法によって全篇を撮影されたもので、原作は「最後の一人迄(1923)」「虹の山道」等を書いたゼーン・グレイで、これをジョージ・ハルとヴィクター・アーヴィンが脚色し、「濃霧を衝いて」「怒涛の裁き」等と同じくアーヴィン・V・ウィラットが監督した。主役「悪魔の眠る時」「有閑階級」等出演のジャック・ホルトで、「若人よ永遠に」「怒涛の裁き」等出演のウィラット夫人なるビリー・ダヴが対手をしている。その他老巧なノアー・ビアリー、キャスリン・ウィリアムス等も主要な役を演じている。アリゾナの渓谷とキャリフォルニアのデス・ヴァレイを背景として撮影された大活劇である。
アダム・ラレイは金の鉱山で働いていたが、賭博で金を失った彼の弟ガードが役人のコリショウと共にアダムの金を奪おうとした時、2人と争ってガードを倒したが、弟を殺したと信じて砂漠へ逃れ、荒野の放浪者になってしまった。彼は親切な鉱山師ディスミュークに救われる。彼はウァンスフェルと名まで変えて4年の間砂漠に住んでいた。彼はかつて救われたディスミュークが悪人に襲われたのを救い、彼をして賭けた金をもってパリへ旅行に出立させる。そのあとで彼は前に会ったことのあるヴァイリー夫婦に再会した。彼等の娘ルスの美しい姿は、今なお彼の胸に忘れられぬ楽しい印象を与えていたが、ルスがサン・ディエゴで学校の教師をしていることを彼は聞いた。彼は夫人が夫から常日頃誤解されていることを語られると、同情のあまり翌朝彼女を娘のもとへ連れて行こうとしたが、その夜狂気のごとくに狂ったヴァイリーは岩石を押し落として小屋諸共妻を殺してしまい、我が身もまた岩に潰されて死んでしまった。アダムはサンディエゴにルスを訪ねて、若い2人は恋仲になったが、アダムを苦しめるのは昔犯したと信じている恐ろしい罪の想い出であったルスは彼に自首を勧めた。帰って来るまで待つというルスの言葉に励まされて、アダムは再び砂漠の町へ帰ったが、弟が達者でいることを聞いて、再びサンディエゴへ勇んで帰っていくことになった。
Adam_Larey
Dismukes
Mr._Virey
Magdalene_Virey
Ruth_Virey
Guerd_Larey
Collishaw
Alex_Mackey
Merryvale
Camp_Docter
[c]キネマ旬報社