ビリー・ダヴ
Duchess_Elena_Orloff
「踊子気質」「姫百合の花」につづくビリー・ダヴ嬢主演映画で、「姫百合の花」の原作者ラヨス・ビロ氏が再び執筆し「熱血ボクシング手」「感傷の秋」のウィニフレッド・ダン女史が脚色し「情炎の美姫」「海の荒鷲(1926)」のフランク・ロイド氏が監督したものである。助演俳優は「あれ」「桃色女白浪」出演のアントニオ・モレノ氏、サッシャ映画「悪魔の満潮時」主演のルシー・ドレーン嬢、「姫百合の花」「婦人に御給仕」のニコラス・スーサニン氏及びエミール・ショーター氏等である。
欧州大戦の頃ロシアの貴族セルゲイ・オルロフは立派な青年将校で美貌の妻エレナを愛するあまり戦線へ赴かねばならぬのを嘆息していた。エレナは才色ともに優れた貞婦であったがベトログラード社交界の女王として漁色の狼とも言うべき貴顕の人の憧憬の的であったためセルゲイは妻を信じながらも、ともすれば嫉妬に胸を灼かれるのだった。ある時セルゲイが戦線から寸暇を得て帰宅すると図らずも伯爵のウラジミル・ズーポフがエレナに夢中になっているのを発見して妻の貞操を疑うまいとしても疑わずにはいられない気持になった。2、3日後再び戦線へ帰任しなければならぬ時が来てセルゲイはあとに心残しつつエレナと別れたが、その夜ベトログラードには暴動が起った。辛くも難を逃れたセルゲイは偶然自分の妻がズーボフ邸に入る後姿を見て落雷に撃たれる思いをした。革命の動乱の巷を身を以て逃れた貴族たちは歳月かの漂泊の旅を続けて昔の華やかな幻影を追いつつパリへ集った。その中にはエレナもいた。彼女は衣裳モデルや料理店の女給として果敢ないその日その日を送りながら良人セルゲイとの再会のできるよう神に念じていた。かくて彼女は良人の消息を知ったがセルゲイは革命の夜以来復讐の鬼と化しエレナとズーボフとを殺す機会を狙っているのだった。エレナはどうかして寃を雪がうと苦心しはからずも昔の侍女ニネットに逢ったので、彼女にズーボフを探してくれと頼んだ。ズーボフはエレナが自分に心を許す気になったものと誤解して大喜びで合いに来た。そこへ変り果てたセルゲイが拳銃を手に忍び込んで来た。しかし革命の当夜エレナの外套を来てズーボフ邸へ行ったのはニネットであったことが判るとセルゲイは深く恥じ入って姿を消した。その後淋しい日を送っていたエレナはある夜勤め先から帰ろうとしてタクシーの運転手になっているセルゲイと逢った。了解し合い話し合った2人はかくて新しい生活への途に上った。
Duchess_Elena_Orloff
Duke_Serge_Orloff
Count_Vladimir_Zubov
Ninette
General_Alexis_Muratov
Baron_Razumov
Baroness_Razumov
監督、製作
原作
撮影
音楽
音楽
音楽
編集
編集
脚色
題字
[c]キネマ旬報社