スポルディング・グレイ
Himself
“WASPのウディ・アレン”と呼ばれ、独特の一人語り芸で“マスター・オブ・モノローグ”の名を欲しいままにする個性派俳優、スポルディング・グレイ。グレイが自らの臨床体験をカメラに向かって語り尽くし、スティーヴン・ソダーバーグがそれを余すところなく撮り上げた野心作。
世の中はすべて目のお陰で成り立っている。高熱の鉄くずを目に入れた施盤工。目を開けて眠るために、目がひび割れるように痛む女性。瞬間接着剤を目薬と間違えてさした女性…など、目に関する災難に見舞われた人々がまず登場するプロローグ。ニューヨーク州北部でテリングの講座を持っていたスポルディング・グレイは、講義中に目の異常に気づいた。眼科医に診察してもらうが原因は判らず、次々と専門医をたらいまわしにされる。結局、1万ドルの手術か食餌療法などの自然治癒法か、と選択を迫られた。そしてグレイが選んだ治療法は、フィリピンの心霊手術だったのだが……。
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