ダグラス・フェアバンクス・ジュニア
Lucien
「ガンガ・ディン」「ゼンダ城の虜(1937)」のダグラス・フェアバンク・ジュニアが主演する映画で、アレクサンドル・デュマの小説から「最後の地獄船」のジョージ・ブルースと「町の人気者」のハワード・エスタブルックが自由に改作し、これをブルースが脚色し、「四人の息子(1941)」「嘆きの白薔薇」のグレゴリー・ラトフが監督し「断崖」のハリー・ストラドリングが撮影したもの。助演は「市民ケーン」のルース・ウォーリック、「北北海の仔」のエイキム・タミロフ、「ベニーの勲章」のJ・キャロル・ナイシュ、「幽霊ニューヨークを歩く」のH・B・ワーナー、「十字軍」のヘンリー・ウィルコクスン等である。
コルシカの貴族フランキ伯爵とコロンナ男爵は仇敵の間柄であった。コロンナは敵 を根絶やしにしようと、ある夜伯爵の城を不意討ちして、伯爵夫妻を殺してしまった。伯爵夫人は双生児を産んだのだが、シャム双生児だったのでパオリ医師が切り離し手術をするところだった。パオリは双生児を抱いて逃げ、デュブレの家で手術に成功した。デュブレは双生児の一人マリオを連れてパリへ行き、もう一人のルシアンは忠僕ロレンゾが預かって山奥深く逃げ込んだ。21年後コロンナ男爵はコルシカの豪族としてコルシカ全島に勢力を振っていた。ルシアンは侠盗となってコロンナの目の上のこぶのような存在となっていた。マリオはオペラ座で美しい少女の危機を救ったが、その名さえ確かめることができないまま、パオリに呼ばれてコルシカへ行った。パオリはマリオとルシアンを会わせ、一切を打ち明ける。双生児の兄弟はコロンナに復讐することを誓い合った。そしてマリオは自分が危機を救った美人とめぐりあった。彼女はやはりコルシカのグラヴィニ伯爵の令嬢イサベルであった。兄弟は共に彼女を愛したが、彼女はマリオの方を愛した。ところがコロンナも彼女を見初め、理不尽に誘拐してしまった。マリオが変装して助けにゆくが、見破られてしばりあげられてしまう。パオリは秘かに仮死状態になる薬を彼に飲ませたので、コロンナはマリオが死んだと思ってパオリに死体を渡した。ルシアンは一味をひきいてコロンナの城を攻め、コロンナの一の子分トマソと一騎打ちをし、共に重傷を負った。パオリはマリオを目覚めさせた。マリオは仇敵コロンナと渡り合い、ついにコロンナの息の根を止め、父母の仇を報じた。ルシアンは救いだしておいたイサベルをマリオに渡して絶命した。
Lucien
Isabell
Baron_Colonna
Lorenzo
Dr._Paoli
Tomasso
Count_Franchi
Coutess_Franci
M._Dupre
Mme._Dupre
Gravini
[c]キネマ旬報社