監督
あまりの美しさに映画評論家の故・淀川長治氏も絶賛し語り続けた、ドイツの影絵アニメーション作家ロッテ・ライガニー(1899~1981)。彼女の処女作にして最高傑作「アクメッド王子の冒険」(26)は、世界初の長編アニメーションというだけでなく、その芸術的かつ娯楽的な質の高さで、数十年に渡って世界中の多くのアーティストに影響を与え、今もまったくその輝きが失われることのない映画史に極めて重要な作品である。しかし伴奏を必要とするサイレント作品であることから世界的に上映される機会が非常に少なかった。今回ドイツおよびイギリスの権利保有者と交渉の末、この作品の世界初となるステレオ・サウンド版ニュープリントを制作し、一般の映画館で上映することを可能とすることに成功した。また、「カルメン」「パパゲーノ」「ガラテア」「眠れる森の美女」「長靴をはいた猫」という、ライニガーの数ある短編の中から厳選した傑作5本を初めて35mmに起こし、ニュープリントを制作。特集上映「ロッテ・ライニガーの世界」で一挙公開された。彩色。
ストーリー
ビゼーの歌劇『カルメン』をモチーフとした音楽劇。