浅見れいな
バーバラ
「下妻物語」の監督・中島哲也が企画・プロデュースを務めた3話オムニバス「ヘアスタイル」の中の1話。監督はENBUゼミナールで中島に師事するハロルド松村。ヒロインを務めるのはドラマ『Mの悲劇』の浅見れいな。
ニューヨーク、ブロンクス。ゴミ箱のくずをひっくり返したような街。バーバラ(浅見れいな)は、この街で生まれ育った。ここにいる限りハッピーなことなんか何一つ起こらない。そんなことが充分に身にしみてバーバラは大人になった。バーバラは食事の支度をしたことが無い。食事はいつも街角のハンバーガーショップかデリでしこたま買った冷凍ブリトー。いつもの様に恋人のリドリー(アキ)とのプレイの後、冷凍ブリトーを出したバーバラはリドリーに罵られる。「お前の料理には愛が無い!!」と。それが原因で喧嘩をし部屋を飛び出したバーバラが出会ったのは、日本料理屋「おふくろの味」の料理人ネリス(佐藤哲夫)だった。ネリスは関西弁を巧みに操るブラックアメリカンなのだが、実は料理の達人。しかもその腕は本家日本人もかなわぬ確かなものだったのだ。その料理を食べたバーバラは、こんなにも料理が人の心を動かすものなのかと驚く。リドリーの言った言葉がバーバラを奮い立たせる。
[c]キネマ旬報社