明日の記憶|MOVIE WALKER PRESS
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明日の記憶

2006年5月13日公開,122分
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山本周五郎賞受賞の荻原浩の同名小説を、世界を舞台に活躍する渡辺謙主演で映画化。若年性アルツハイマー病を患い不安にかられる男と、彼を必死に支えようとする妻の姿を描く感動作。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

広告代理店に勤める佐伯は50歳を迎え、仕事は順調、家庭も円満、さらには一人娘が結婚間近と喜びに満ちていた。ところがある日突然、不幸に襲われる。若年性アルツハイマー病を患った彼の記憶は少しずつ失われてゆく。

作品データ

原題
MEmories of Tomorrow
製作年
2005年
製作国
日本
配給
東映
上映時間
122分

[c]2006「明日の記憶」製作委員会 [c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.2
  • mentaico00

    4
    2014/10/12

    5年ほど前に一度観て感動したし考えさせられたのだけど、自身がこの主人公の年齢、立場に近くなって、より深く考えさせられた。
    主人公の渡辺謙ももちろんさすがの演技だけど、ある意味出来すぎ位に素晴らしい奥さんの葛藤を、樋口可南子が本当に素晴らしい。

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  • 冷おろし

    4
    2013/4/24

     人は、過去を反芻しながら生きる動物である。喜怒哀楽の思い出を糧にしながら、明日を見つめて生きているのだ。その思い出がもしも封印されたら、あなたならどうするだろうか?

     この映画は、若年性アルツハイマー病を患った主人公の物語である。脳の萎縮によって物忘れなどの記憶障害が起こり、末期には家族の名前や顔も理解できなくなってしまう。まるでドミノ倒しのように過去や現在の記憶が消え去り、極端に言うならば「明日の記憶」だけになってしまう病気なのだ。

     主人公の佐伯雅行(渡辺謙)は、突如その病に襲われる。まだ49歳の若さだった。広告代理店の営業部長として、部下からもクライアントからも信頼されていた。大型プロジェクトの契約が決まり、自ら陣頭指揮を執っていた矢先だった。

     妻の枝実子(樋口可南子)は、根本的治療法がない病気に戸惑いながらも、夫の闘病を最後まで支えようと決意する。雅行には結婚式が間近に迫った一人娘がいたが、病については打ち明けなかった。晴れの舞台を病人ではなく、「働いている父親」として出席したかったのだ。

     26年間、仕事一筋の人生を送ってきた彼だったが、病を知った会社の対応は厳しかった。部長待遇から外され、窓際族に追いやられてしまう。そのきっかけになったのは、信頼していた部下による病の告発だった。

     娘の結婚式も無事に終わり、会社を依願退職するが、認知障害は徐々に進行していた。記憶が失われるだけではなく、被害妄想や幻視にも悩まされる。そんな中、彼はある決意をして奥多摩の山に向かう。そこは、枝美子にプロポーズをした思い出の場所だった。

     映画の冒頭とラストシーンで、雅行が作陶した器が出てくる。病の進行を遅らせるために通った陶芸教室で素焼きされ、奥多摩の山で本焼きした茶碗だった。

     器には妻の名前が刻まれていた。いつか彼女の名前も顔も忘れてしまう恐怖に怯えながら、二人の絆を形にしたかったのだ。病の進行で彼は思い出を失ったが、妻への愛は永遠に器に刻み残されたのだろう。

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  • たっかん

    3
    2013/2/9

    この作品、予告の頃から「若年性アルツハイマーの物語」ということで、なかなか観る気が起こらなかったのだが、観てみるとなかなかの力作であった。
    2006年キネ旬ベストテンの日本映画10本のうち、この作品だけ残ってしまったので、観る気になった次第。

    バリバリの会社員(渡辺謙)が、ちょっとした名前が思い出せなくなるあたりから病気の兆候があらわれる。だんだん会社生活するには困難な状況になってきて、退職して過ごすが、よくなる病気ではなく、悪くなるのを遅らせる薬を飲むのが精一杯とのこと。

    渡辺謙が病気に苦悩する姿と、それを支える樋口可南子、会社の部下たち(水川あさみ等)、会社の取引先の男(香川照之)、樋口可南子をサポートする渡辺えり子、など出演者も脇で良い姿を見せてくれるが、とりわけ素晴らしかったのは大滝秀治である。物語終盤で、渡辺謙と大滝秀治が山の中でやりとりする場面、大滝秀治が「生きていることが大事」という科白は心に響いた。

    最後、渡辺謙は、妻である樋口可南子もわからなくなって物語は終わるのだが、「このあとどうやって暮らしていくんだろう」と死ぬまで治らない病気と闘わなければならない人間のことを考えさせられた。
    病気の話なので楽しい余韻ではないが、人間の残った時間を考えさせられる映画である。

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