リチャード・プライヤー
Eddie_Dash
億万長者の遺産をめぐる悪だくみに巻きこまれた刑務所帰りのサギ師と、精神病院帰りの誇大妄想狂の引き起こす騒動を描くスラップスティック・コメディで、ワイルダー=プライヤー・コンビ15周年の4作目。監督にプロモ・ビデオ出身で「アメリカン・ウェイ」のモーリス・フィリップス、製作・脚本はTVショー出身のジギー・スタインバーグ、エグゼクティヴ・プロデューサーはテッド・ザカリー、撮影はヴィクター・J・ケンパー、音楽はチャールズ・グロスが担当。
エディ(リチャード・プライヤー)はハリウッドを根城にするケチなサギ師。仮釈放中の彼は規定の社会奉仕をこなさねばならない。どうせなら楽な仕事をと、精神病院の退院患者の面倒をみる仕事を選ぶ。その患者というのが病院で3年5ヵ月を過ごした、大嘘つきで誇大妄想狂のジョージ(ジーン・ワイルダー)。外の世界への不安に怯えながらも仲間の励ましでやっと退院したジョージは、迎えにきたエディを一目で気に入った。嫌悪感を露骨に示すエディの方は、隙あらば有り金を巻き上げて逃げ出す腹だった。だが、通りがかりの太った男にジョージがエイブと呼ばれ大金を渡され、さらに高級レストランで金持ち風の夫妻に歓待され、妻と名乗る美人のイレイン(マーセデス・ルール)まで現れたことで、千載一遇の金儲けのチャンスとばかり、エイブの豪邸にしばらく居つくことにした。次の夜、エイブの会社の代理人ディッブス(スティーブン・ラング)が現れ、ジョージを億万長者エイブ・フィールディングであると断言した。夢のような生活。だが、全てはディッブスが合法的に財産を継承するための陰謀だった。そのためにエイブと称する男の死体が必要だったのである。ディッブスはエディを買収し、ジョージを殺させようとする。一方、ニセ妻のイレインはジョージの執拗な夜の夫婦関係攻勢から逃げ回っていたが、ビヤホールでヨーデルを合唱したことから恋に落ちる。殺人決行のカモ狩りの日、一発の銃声が聞こえた。葬式の日、得意気に弔辞を述べるディッブス。だが、棺の中からヨーデルの歌声が__いつしかジョージを好きになっていたエディは彼を殺さなかったのだ。ディッブスは逮捕され、遺産はジョージの手に。意気軒昂となったジョージは人々の前でまくしたてる。「私の本名はジョージ・ワシントンである」。
Eddie_Dash
George
Elaine
Dibbs
Gloria
Al
監督
脚本、製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
字幕
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