イングリッド・バーグマン
Constance Peterson
アルフレッド・ヒッチコックが「汚名」(46)に先立って監督した1945年度スリラー映画。フランシス・ビーディングの原作を「汚名」と同じくベン・ヘクトが脚色した。撮影は「船乗りシンバッドの冒険」のジョージ・バーンズ、音楽はこの作品でオスカーを得たミクロス・ローザ担当。夢の場面装置はシュルレアリスト、サルバドール・ダリ、主演は「ジャンヌ・ダーク」のイングリッド・バーグマンと「白昼の決闘」のグレゴリー・ペックで、「夢の宮廷」のロンダ・フレミング、「Gメン対間諜」のレオ・G・キャロル、ロシア出身の老優マイケル・チェホフ、「死の谷」のヴィクター・キリアン、ビル・グッドウィンらが助演する。
長年精神病治療院「緑の園」の所長だったマーチソン博士が更迭され、新所長としてエドワーズ博士を迎えることになった。ただ1人の女医コンスタンス・ピーターソン博士は、美人だが研究一徹で、同僚の求愛にも見向きもしない性格だった。だが治療院にやってきたエドワーズ博士を名乗る若い男にコンスタンスは一目惚れをしてしまう。ところが、食事をしながら彼女が計画中のプールの略図をフォークの先で白いテーブルクロスに描いた途端彼の様子がおかしくなる。その場は何事も無く収まり二人は急速に愛情を深める。夜更けに眠れぬコンスタンスは、図書室に本を取りに行くが、その途中でエドワーズの部屋に立ち寄り彼と抱き合う。その時彼女の部屋着の白地と縞に気付いた彼はまたしても荒々しい態度を取るのだった。そこへ患者のひとりが自殺を図ったと連絡が入り、手術室に駆けつけたエドワーズは、その場に卒倒してしまう。コンスタンスはエドワーズの本の署名と彼がよこした手紙の署名が異なることに気付く。彼のシガレット・ケースにはJ.B.の頭文字が入っていた。エドワーズ博士を名乗る「男」は、自分は記憶をなくしており、おそらくJ.B.の頭文字を持つ男であり、本物のエドワーズ博士を殺して身代わりとなってここに来たんだろうと言い出し、逃亡する。コンスタンスはJ.B.が残した手紙から、彼がエンパイア・ステイツ・ホテルに身を隠していることを知り、ホテルに駆けつける。J.B.の手には火傷の痕があり、それが彼の記憶喪失症の原因を解き明かすと確信したコンスタンスは、J.B.を連れ恩師の精神分析学者ブルロフ博士を訪ねる。途中再び発作を起こしたJ.B.は空中戦闘のことを口走る。彼はロオの上空の空中戦で負傷し、記憶喪失症になったのだった。ブルロフ博士に夫だと紹介するコンスタンス。二人はブルロフ博士の家に泊まることとなる。その夜ブルロフ博士の家にある様々な「白」により、再び発作を起こしそうになるJ.B.。翌朝ブルロフ博士はJ.B.の治療を試みる。その結果彼の恐怖は雪とスキーに関係があると判る。事件が起きた場所がゲイブリエル・ヴァレーだと知ったコンスタンスとJ.B.はそこに向かう。目的地に着いた二人はスキーを始める。滑走中J.B.は全てを思い出す。自分の名前は「ジョン・バランタイン」であること。子供の頃不注意で弟を滑落死させてしまった罪に苛まれていたこと。エドワーズ博士は彼の記憶喪失症を直すために一緒にスキーをしてる時に断崖から落ちて死んだことを。ところが、この報告に従って断崖を調べた警察はエドワーズ博士の遺体から銃弾を発見する。殺人嫌疑で逮捕されるジョン。「緑の園」に帰ったコンスタンスは、初めてジョンがこの医院にやってきた時に、マーチソン博士がエドワーズ博士とは旧知なはずなのに、ジョンをエドワーズ博士として扱っていたことに気付く。実は、更迭を恨んだマーチソンが新任のエドワーズを殺害したのだった。コンスタンスに詰問されたマーチソンはもはや逃れられぬと悟り自殺する。無実となったジョンとコンスタンスは新婚旅行に出かけるのだった。
Constance Peterson
J.B.
Harry
Miss Carmichael
Dr.Fleurot
Dr.Murchison
Garmes
Dr.Hanish
Dr.Galt
Norma
Sheriff
Stranger
House Detective
Gateman
Lt.Cooley
Sgt.Gillespie
Dr.Alex Brulov
監督
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
録音
夢シーン装置
脚色
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