シャルル・ボワイエ
Andre_Cassil
「ガス燈」「再会(1944)」のシャルル・ボワイエと「桃色の店」「昨日」のマーガレット・サラヴァンが主演する喜劇で、「運命の饗宴」のラディスラウス・ブス・フェケテが書き下ろした物語を、「庭の千草」「アヴェ・マリア」と同じくブルース・マニングとフェリック・ジャクスンが協力脚色し、「西部を駆ける恋」「晴れて今宵は」のウィリアム・A・サイターが監督、「猜疑の影」のジョセフ・ヴァレンタインが撮影した。
ブロードウェイの劇作家アンドレ・カシルが、拍手に呼ばれて舞台に立ってみると 、最前列の一婦人が椅子にもたれて気を失っている。芝居に興奮した結果かと思ったら、実は眠っていたのだった。彼女は女医ジェーン・アレグザンダーである。恋愛は化学反応なりと定義する彼女にひきつけられたアンドレは、仮病を使って病院にいくやら、来診を頼むやら、あの手この手とせめたてて口説く。ようやく結婚はしたが、医師という職業は結婚生活と相容れない。二週間の休暇をとって二人はアンドレの狩小屋に行った。ところがある晩アンドレに電話がかかる。以前の恋人で女優のナンシー・ベンスンで、駅に着いたというのだ。アンドレは駅が火事だと妻をごまかして駅に駆け付け、次の芝居に主役を与えると約束してニューヨークへ追い返した。休暇を楽しく過ごした後、ジェーンは結婚生活永続のために別居生活を提唱し、夫は17階、妻は22階に別居をすることになった。アンドレは不服だったので、プロデューサーのヘイスチングスのすすめに従って、妻に嫉妬をさせようと試みる。しかし嫉妬は血管中のアドレナリンの動揺なりと信じ、アンドレが見せつけるラブシーンを劇の稽古だと思っているジェーンは平気だ。逆に、彼女の患者にアンドレガ気をもむことのほうが多い。ある夜、妻は夫の部屋へエレベーターで下り、夫は花を持って妻の部屋へエレベーターで昇って、そのまま相手を待って一夜を明かす。結婚解消の危機が迫るが、エレベーター係の証言が夫婦の誤解を吹きとばし、二人は堅く抱き合った。
Andre_Cassil
Jane_Alexander
Nancy_Benson
George_Hastings
Edith_Meredith
Michael_Dailey
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