ドリス・デイ
Ruth Etting
トーチソングの女王と謳われたルス・エッティングの半生を描く。製作はミュージカル映画の名手ジョー・パスターナク。ダニエル・フックスのオリジナルをフックスと「錨を上げて」のイソベル・レナートが共同脚色、監督は「アンデルセン物語」のチャールズ・ヴィダー。主演は「ミスタア・ロバーツ」のジェームズ・キャグニー、「カラミティ・ジェーン」のドリス・デイ、助演は「野郎どもと女たち」のロバート・キース、「竹の家」のキャメロン・ミッチェル。主題歌は1920年から30年代にかけて流行した14曲と、新曲2曲がドリス・デイによって歌われる。作曲はアーヴィング・バーリン、ガス・カーン、アーサー・フリード、ロジャースとハート等で、新曲の作曲はニコラス・ブロズスキーとチルトン・プライスで音楽監督はジョージ・ストール。テクニカラー、1955年作品。
1920年代のシカゴ、ダンサーのルス・エッティング(ドリス・デイ)はお客に無礼をしたという理由で一方的に馘首になった。その場の有様を見ていたスナイダー(ジェームズ・キャグニー)は、好奇心から彼女の力になろうと約束した。表向きはクリーニング業だが、実はシカゴ一帯の顔役スナイダーは彼女をナイトクラブの持主フロビッシャーに紹介した。クラブのピアノ弾きジョニー・アルダーマン(キャメロン・ミッチェル)はルスに心惹かれた。ルスの望みは歌手だった。スナイダーはアルダーマンを雇って、彼女に歌を習わせた。リハーサルは2人の心を結び付けていく。ルスの歌が本格的なものになると共に、スナイダーの強力な後押しで、彼女はたちまち有名になった。ラジオ出演も決まった。スナイダーは彼女を紐育の大興行師ジーグフィールドに売り込んだ。やがて、スナイダーはルスに結婚を申し込んだ。狂おしいまでのスナイダーの愛情に、ルスは結婚を承知した。だがこの結婚は不幸の連続だった。愛情生活の不幸をよそに、ルスの名声はハリウッドにも及び、映画出演の話しが決まった。ハリウッドでも粗野で凶暴なスナイダーは、ルスにとっては負担以外の何者でもなかった。なかでも、映画の音楽監督がピアノ弾きだったアルダーマンと知ったとき、スナイダーは2人の間に対して、狂気じみた嫉妬を示した。口論、そして嫉妬に狂ったスナイダーが、ルスの名をかたって、音楽監督の変更を強要したところから、2人の溝は一段と深くなった。今はこれまでと悟ったルスは、遂に離婚を宣言。こうしてスナイダーと別れたルスは、映画のリハーサルに、全情熱を打ち込んでいった。ある夜、撮影が終ったルスを追って、アルダーマンがやってきた。2人は初めて互いの愛を誓い合った。がその時、拳銃の音がして、アルダーマンは倒れた。スナイダーが撃ったのである。幸い軽傷だったが、スナイダーは全財産を投じたナイトクラブの建築を半ばにして留置場へ引かれて行った。歳月は流れスナイダー保釈の日が来た。その夜は彼のナイトクラブの開く夜だった。ネオンには”ルス・エッティング出演、マーティン・スナイダー提供”とある。ルスの出演に驚く彼は、ルスの好意の出演を知って涙を流して喜んだ。アメリカ一の歌い手の歌は、クラブの人々すべての胸にしみ渡っていく。舞台をみつめるスナイダーは、低く力強くつぶやいた。彼女は歌えるよ、それだけは、俺の思ったとおりだと--。
Ruth Etting
Martin Snydar
Johnny Alderman
Bernard V. Loomis
Forbisher
Georgie
Paul Hunter
Fred Taylor
Eddie Fulton
Jingle Girl
Greg Trent
監督
脚本、原作
脚本
製作
撮影
音楽
音楽監督
美術
美術
作曲
作詞
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