旧日本軍の従軍慰安婦として戦中戦後を通じて辛酸をなめつくした韓国女性たちの現在を見つめるドキュメンタリー映画。製作・監督はこれまで女性の搾取の問題を取り上げたビデオ作品を製作してきた若手女流ドキュメンタリー作家のビョン・ヨンジュで、これが初の長編映画作品になる。また韓国で初めて劇場で商業公開されたドキュメンタリー映画でもある。台本はミョン・ドジョン、撮影はキム・ヨンテク、音楽はオー・ユンスクとチョン・ビョンヒ、編集はパク・ゴクジ、録音はイ・ヨンギルがそれぞれ担当。本作はソウル市内にある“ナヌム(分かちあい)の家“と呼ばれる、仏教団体の支援で設立された暮す六人の元慰安婦の老女たちの姿を追う。彼女たちの生活や日常的な呟きに焦点をしぼり、戦争犯罪の告発よりも苦しみを背負って生き長らえねばならなかった女たちの悲しみを浮かび上がらせていく構成となっている。一部は中国の武漢にあった慰安所の近くに終戦後も取り残された元慰安婦のインタビューにあてられ、旧日本軍による性的虐待の実態が赤裸々に語られる。映画はそのあと再び韓国に戻り、老女たちの日常を描きだして静かに終わる。1995年山形国際ドキュメンタリー映画祭で、アジア映画部門のグランプリである小川紳介賞を受賞。
ストーリー
※ドキュメンタリーのためストーリーはありません。
スタッフ
監督、製作
ビョン・ヨンジュ
脚本
ミン・ドジョン
撮影
キム・ヨンテク
音楽
オー・ユンスク
音楽
チョン・ビョンヒ
編集
パク・ゴクジ
録音
イ・ヨンギル
字幕
根本理恵
字幕監修