サイモン・キーンリーサイド
ハムレット
NYメトロポリタン歌劇場のオペラ公演を、高画質とダイナミックな音響によりスクリーンで楽しむ“METライブビューイング”。シェークスピアの四大悲劇の一つをトマがオペラ化した。亡父の復讐を誓うデンマーク王子の運命を、新演出で描く。指揮はルイ・ラングレ、演出はパトリース・コリエとモーシュ・ライザー。
デンマーク。王子アムレット(サイモン・キーンリーサイド)の父である王が死に、叔父と母の婚儀が執り行われている。アムレットは、父が死んですぐに母が再婚するのを嘆いていた。アムレットの親友ラエルトが旅に出ることになり、アリア『彼女は私の誇り』を歌って、妹のオフェリ(ナタリー・デセイ)をアムレットに託す。アムレットの前に父王の亡霊が現われ、新王によって毒殺されたことを告げ、復讐するよう迫る。それ以来、アムレットは人が変わったようになり、オフェリは恋人の心変わりを、アリア『「さようなら」と彼は言った』で嘆く。アムレットは宮廷人の前で『乾杯の歌』を歌い、余興として無言劇を開催する。その毒殺された王を題材とした劇を見て、新王は取り乱す。アムレットは乱心したふりを続け、オフェリに冷たく当たっていた。ついに絶望したオフェリは、『狂乱の場』で彼への変わらぬ想いを歌い、水死する。場面は変わり、アムレットがオフェリを思いながら、アリア『蒼ざめた花のように』を歌っていた。しかし、そのとき彼の目に入ってきたのは、オフェリの葬列だった。アムレットは亡霊の命じるままに新王を刺殺する。王子の即位を祝う喜びの声が挙がるなか、アムレットは独り立ち尽くすのだった。