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2010年5月22日公開、52分、ドキュメンタリー/社会派
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「いいこ。」の小谷忠典による初のドキュメンタリー作品。大阪・大正区で父と恋人の子どもと暮らす自身の日常と、沖縄・コザの娼婦たちの姿を結びつけ、“他者と向き合うこと”“関係すること”の本質を浮かび上がらせる。第27回トリノ国際映画祭THE CULT AWARD入選の他、各国の映画祭で上映されている。

ストーリー

大阪・大正区は、大阪市24区のうち湾岸に面している区の1つで、明治以降、繊維産業が盛んになり、工業地帯として発展した。沖縄全土で深刻な飢饉が発生したことをきっかけに、沖縄からの移住者が多く住む街でもある。その街で生まれ育った監督・小谷忠典の日常と周辺のできごとを、カメラが映し出していく。足の踏み場もないほど散らかった小谷の部屋。酒に溺れる父と、血のつながりのない恋人の子どもとの生活のなかで、小谷には言葉にならない苛立ちが蓄積されていく。小谷はその苛立ちを抱えたまま、沖縄に足を運ぶ。沖縄本島中部・沖縄市中心街の外れにあるコザ吉原。1955年に売春防止法が施行されたが、沖縄は当時日本統治下になかったため、適用されなかった。1972年の本土復帰後、10年の猶予期間が与えられたが、その期間を過ぎた現在でも存続している。嘉手納基地を抱え、1970年のコザ暴動など、米軍との軋轢が絶えない地であるコザの娼婦たち。小谷は彼女たちの顔、体、裸体を映し出していく。彼女たちの体に刻まれた傷と言葉によって、小谷と沖縄、親と子の絆が、1本の線で繋がれていく。

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作品データ

製作年
2008年
製作国
日本
配給
ノンデライコ
初公開日
2010年5月22日
上映時間
52分
製作会社
sorairo film
ジャンル
ドキュメンタリー社会派


[c]キネマ旬報社