ドビー・ドーブライナー
マーサ
「チェ」2部作のスティーヴン・ソダーバーグが自ら監督・撮影・編集まで行い、自身の芸術性を凝縮させた作品。小さな町の人形工場で起きた殺人事件を巡り、孤独な住人とその内面に潜む狂気を繊細に描き出す。プロのキャストは一切起用せず、さらに撮影も全てキャストの自宅を使用するという実験的手法を採用した。
マーサ(デビー・ドーブライナー)とカイル(ダスティン・アシュレイ)は、オハイオ州の小さな人形工場で長い間働いている。孤独な二人は惰性で友達関係を続けていたが、若いシングルマザーのローズ(ミスティ・ウィルキンス)が新たに従業員として加わったことで、二人の関係は崩れていく。カイルとローズは次第に親密な関係となり、それを知ったマーサは取り乱し、ローズの陰のあるキャラクターに不信感を募らせていくのだった。そんな中、町で起きた一件の殺人事件が彼らの日常を崩壊させてしまう……。
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