チュウ・チーイン
ジー・リン
幼い息子を事故で失った母親が、自然の美しい雲南省チベット族自治州への旅を通して再生する姿を描くヒューマンドラマ。監督は、舞台『他和他的両個老婆』の演出など台湾で活躍する演出家で、映画初監督となるティン・ナイチョン。出演は、「ラスト、コーション」のチュウ・チーイン。第32回カイロ映画祭撮影特別賞受賞。
ジー・リン(チュウ・チーイン)は、幼い息子を交通事故で失う。ジー・リンは息子の突然の死を受け入れられず、悲しみに暮れる。しかし事故の加害者である夫婦は容疑を否認し、裁判は遅々として進展しない。その上、夫が自分の悲しみを理解してくれないと感じたジー・リンは一層悲しみを募らせ、夫婦の関係も次第にこじれていく。ある日、ジー・リンは息子の部屋で、梅里雪山の絵が描かれた1枚のメモを見つける。それは息子が生前、いっしょによく遊んだ宝探しゲームのヒントとして描かれたものだった。ジー・リンは衝動的に、梅里雪山のある雲南省チベット族自治州に向けて旅立つ。そんな彼女を、尾行する若い男の姿があった。旅の途中、彼女は色々な人と出会っていく。素朴な人々との出会いや小さな恋、そして雪山、氷河、湖、森林など雄大で美しい景観は、ジー・リンの心を癒してくれるのだろうか。そして彼女の旅は、意外な結末を迎える。
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