1968年から国立劇場・小劇場でTBSが主催してきた『落語研究会』の貴重な映像を、「シネマ歌舞伎」の松竹が劇場のスクリーンで上映。昭和の名人たちによる“夢の名人会”を楽しめる。八代目桂文楽『明烏』、三代目古今亭志ん朝『抜け雀』、十代目金原亭馬生『親子酒』、六代目三遊亭圓生『掛取万歳』の4本を収録。
ストーリー
1968年から国立劇場・小劇場でTBSが主催してきた『落語研究会』のなかから、4本を抜粋。細部にまで緻密に作り込まれたネタで、五代目古今亭志ん生と人気を二分した八代目桂文楽が得意とした廓噺『明烏』は、堅物の若旦那が初めて行った吉原での出来事を描く。上品できれいな江戸弁と、小気味よいテンポで噺を運ぶイキの良さ、じっくりと聴かせる人情の描写で、正統的な江戸前落語を得意とした三代目古今亭志ん朝による『抜け雀』は、不思議な雀の絵を題材としている。父・志ん生の淡々としたしゃべりを受け継ぎ、流暢かつ柔軟で整った形と自然な語り口で、落語通をもうならせた十代目金原亭馬生の『親子酒』は、酒好きの親子の禁酒の顛末を描く。滑稽噺から人情噺、芝居噺、艶笑噺から文芸ものまで演目の多さと幅広さで、昭和の落語黄金時代を支えた名人の中でも群を抜く存在と言われる六代目三遊亭圓生の『掛取万歳』は、大晦日、借金を返せない主人公が借金取りをケムに巻いていく様子を描いていく。
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