世界で初めて化学物質の危険性を告発した『沈黙の春』の著者レイチェル・カーソンの遺作『センス・オブ・ワンダー』の映画化。「クジョー」の女優カイウラニ・リーが脚本を書き、出演した一人芝居を元に、「ウェールズの山」監督のクリストファー・マンガーが美しいドキュメンタリー・タッチで、カーソンの余生を描く。
ストーリー
科学者レイチェル・カーソンは、1962年に出版されベストセラーになった著書『沈黙の春』のなかで、世界で初めて化学物質が環境に与える危険性を告発した。それをきっかけにアメリカ政府は、有機塩素系の殺虫剤や農薬であるDDTの使用を禁止する法律を制定する。このように国家をも動かすインパクトを与える一方、一部のメディアや化学薬品産業からは批判にさらされた。しかしカーソンは、彼女の主張が不都合な人々から“ヒステリックな女性”と呼ばれながらも、決して屈することなく、人類の健康と環境の危機について発言を続けた。本作は彼女が最後に伝えたかった“神秘さや不思議さに目をみはる感性”の大切さが詰め込まれた遺作『センス・オブ・ワンダー』を映画化し、末期癌に侵されたカーソン(カイウラニ・リー)の余生を、美しいドキュメンタリー・タッチで描いている。カーソンは豊かな自然に囲まれたメイン州の海岸にあるコテージで、甥のロジャーと暮らしている。小鳥たちのコーラスや木の芽の感触、海辺のにおい、夜空にまたたく星を感じながら、穏やかな日々を過ごしていく。
スタッフ
監督
クリストファー・マンガー
脚本、プロデューサー
カイウラニ・リー
撮影
ハスケル・ウェクスラー
編集
タマラ・M・マロニー
プロデューサー
カレン・モンゴメリー
字幕
川合美雪
字幕監修
上遠恵子
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作品データ
[c]キネマ旬報社