ナレーション
人口1万4千あまりの小さな町、北海道・浦河町にある創業93年を迎える映画館・大黒座についてとらえたドキュメンタリー。多くのインタビューを通して、人々が映画館や町の文化を大切にしようとする熱い思いが伝わってくる。プロデューサー・監督・撮影は、「KAYOKAYOLIVE わたしは歌う」の森田惠子。
ストーリー
小さな町はもちろんのこと、大都市でも映画館がなくなり、その代わりにシネマコンプレックスが誕生している昨今、日本中で同じ映画が一斉に上映されるようになって久しい。こんな時代に、北海道にある人口1万4千あまりの、牧場と漁業の町・浦河町には、創業93年を迎える映画館・大黒座が健在だ。大正時代、材木商人だった三上辰蔵がドサまわりの講談師や浪曲師を家に招いたのを起源とする大黒座は、現在、映画館は3代目、館主は4代目となるが、ミニシアターとして生まれ変わった今も舞台がある。浦河町は過疎化が進み、人口が減り続けているが、大黒座の灯は点り続ける。4代目館主・三上雅弘さんと佳寿子さん夫妻は映画館を続けようと決心したが、現実は厳しい。しかし、大黒座を応援する人々や、“大黒座まつり”を主宰する人、サポーターズクラブを立ち上げる人、遠方から手作りの番組表を送ってくれる人など、たくさんの人によって、大黒座は支えられている。木造で桟敷席だったという1館目の大黒座を知る人から、現在の上映される番組をすべて観ているという人まで、たくさんの人へのインタビューを通して、映画館と町の文化を大切にしたいという熱い思いが伝わってくる。