監督、脚本
長野県上田市にある、戦没画学生慰霊美術館・無言館のドキュメンタリー。志を果たすことなく戦場に散っていった画学生の作品や遺品を通して、戦争を知らない世代に伝えるべき命の大切さを訴える。監督は、数々の記録映画を手掛けている宮木辰夫。朗読は、俳優座の岩崎加根子。ナレーションは、俳優座の若井なおみ。
ストーリー
長野県上田市の周りを山々に囲まれた田園地帯の丘の上に、小さな戦没画学生慰霊美術館・無言館はひっそりとたたずんでいる。無言館の扉を開くと、志半ばに戦場に散っていった画学生たちの声が聞こえてくる。1枚の画布、1冊のスケッチ帖に命の証を刻みこんで、若者たちは戦地に発っていった。館主・窪島誠一郎さんが全国各地を訪ね、収集した画学生たちの作品、遺品からは、“人が人を愛すること”“生命あるすべてのものを愛すること”への願いが伝わってくる。「こういう時代だからこそ、彼らが生きていた証を守ることで、命の大切さを、戦争を知らない世代に伝えていかなければならない」と窪島さんは語る。開館以来、毎年8月には、画学生たちの無念を弔う慰霊祭“千本の絵筆”の供養が行われる。