ヴァーツラフ・ヘルシュス
エフジェン/ミラン
アニメーションと実写を合成した映像美で独自の世界を築くヤン・シュヴァンクマイエルの「ルナシー」以来、5年ぶりとなる長編映画。夢で見た美女を追って、夢の世界に没入してゆく男の姿を描く。出演は「マルシカの金曜日」のヴァーツラフ・ヘルシュス、「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」のクラーラ・イソヴァー。
エフジェン(ヴァーツラフ・ヘルシュス)はうだつの上がらない中年の勤め人。家に帰れば口うるさい妻ミラダ(ズサナ・クロネロヴァー)の愚痴を聞かされ、日々の楽しみといえば寝る事ぐらい。ある日、寝ていた彼は夢の中でエフジェニエ(クラーラ・イソヴァー)という名の若く美しい女性と出会う。誘われるままに部屋を訪れて抱き合っていたところ、彼女の息子ペトルに見つかってしまう。気まずい気分で目覚めたエフジェンだったが、夢の記憶が気になり、精神分析医のホルボヴァー医師(ダニエラ・バケロヴァー)を訪ねる。彼女のカウンセリングによって、エフジェンが幼い頃に両親を亡くし、児童養護施設で育てられた経験が関係しているらしいことがわかってくる。夢の操作法に関する本を探し、自分の意志で夢の世界に入っていく方法を見つけるエフジェン。彼は、誰にも邪魔されないように、元写真家の老人のスタジオを借りる。こうして、妻には会社に行くと伝え、夢の中へ出かける日々が始まる。ある夢の中では宝くじに当選し、エフジェニエに豪華なアパートを買ってやる。しかしまた別の夢では、自分にそっくりなエフジェニエの夫ミラン(ヴァーツラフ・ヘルシュス:二役)という若い男が現れ、宝くじの賞金を半分よこせと脅される。一方、夫の行動を怪しんだミラダは尾行を開始。ホルボヴァー医師を浮気相手と思い込むが、彼女からエフジェンの二重生活を知らされ、衝撃を受ける。尾行によってスタジオでのエフジェンの儀式を盗み見したミラダは、真似をして夫の夢に入り込む。やがて曖昧になる現実と夢の境界。エフジェニエとは一体誰なのか……?息子ペトルは何者なのか……?過去と夢の中での出来事はどう関係しているのか……?エフジェンは夢の世界から戻ってこられるのだろうか……?
監督、脚本、撮影
撮影
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衣装デザイン
音響
プロデューサー
アニメーション
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