凡てこの世も天国も
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凡てこの世も天国も

1947年11月公開、141分
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「小麦は緑」「情熱の航路」のベティー・デイヴィスが、「ガス燈」「再会(1944)」のシャルル・ポワイエと共演する映画で、レイチェル・フィールド作の同名の実話小説に基づき、前記デイヴィス映画と同じくケイシー・ロビンソンが脚本を書き、「うたかたの恋」「最後の戦闘機」のアナトール・リトヴァクが監督に当たり、「黒蘭の女」のアーネスト・ホーラーが撮影した。助演者は「ステラ・ダラス(1937)」のバーバラ・オニール、「4人の姉妹」のジェフリー・リン、「ブロードウェイ(1941)」のヴァージニア・ワイドラー、ヘレン・ウェストリー、センタギュ・ラヴ等である。

ストーリー

新世界で人生の再出発をしようと志して海を渡ってきたアンリエットは、女学校の先生になった。悪い女という評判で満足に授業もできないので、思い切って生徒たちに自分の身の上話をすることにした。その話というのはー1841年の春学校を出たばかりのアンリエットはブラスラン公爵家のパリの本宅に、家庭教師として雇われた。三人の令嬢と令息と、合わせて四人の子供たちを教えることが彼女の任務であった。しかし子供たちにとって、アンリエットは先生以上の存在であった。彼女はまるで母のように慕い、なついて来る子供らを自分の妹や弟のように感じないではいられなかった。それというのも公爵夫人が夫婦仲の冷たさからヒステリカルになって、愛児を慈しむことをしなかったためである。ブラスラン公爵は時のフランスの主権者ルイ・フィリップ王と親しく、王宮の重臣として、政治家として勢力があったが、家庭では不幸な男であった。コルシカのセバスチアニ子爵の愛娘である公爵夫人は嫉妬深い女だったので、四人の子さえあるのに夫の愛を失っていた。公爵は帰邸するとすぐ子供部屋に来て、子供たちと遊んだ。献身的に子供たちの世話をしているアンリエットに公爵が理解と感謝を示したのは当然のことである。夫人がコルシカの郷里に帰って留守の間に、公爵は総領娘ルイーズとアンリエットを連れて劇場に行った。それを中傷したゴシップ記事が新聞に掲載されたため、公爵夫人はパリへ帰るなり夫婦喧嘩を始め、アンリエットは夫人の面罵を浴びた。アンリエットは辞意をもらしたが、公爵の子供たちのためという言葉で思いとどまった。その後しばらくは平和であったが、アンリエットが子供たちを連れて別荘へ行っている時、公爵が夫人を伴わずにやってきて、三晩泊まっていったために、アンリエットは解雇されてしまった。何も言わずに辞するなら良い推薦状をやると公爵夫人は約束したが、いつまでも推薦状は届かなかった。公爵が子供を連れて訪ねて来てそのことを知った翌日、夫人は殺害されていた。公爵は犯人として、アンリエットは共犯として拘禁されたが、罪を一身に引き受けた公爵の自殺でアンリエットは放免されたのである。

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作品データ

原題
All This, and Heaven Too
製作年
1940年
製作国
アメリカ
初公開日
1947年11月
上映時間
141分
製作会社
ウォーナー・ブラザース映画


[c]キネマ旬報社