2010年に有料BSテレビのWOWOWで『はじまりの記憶 現代美術作家・杉本博司』として放送後、国際エミー賞のアート番組部門にノミネートされたドキュメンタリーに、新撮映像を加えて劇場公開。ナレーションを「キャタピラー」の寺島しのぶが担当し、建築家・安藤忠雄、現代美術家・李禹煥、狂言師・野村萬斎なども出演。
ストーリー
現代美術家、杉本博司。2009年高松宮記念世界文化賞など国内外で数々の賞を受賞し、海外のオークションでは数千万円で落札されることもある、現代美術界を牽引する存在だ。1948年に東京で生まれた彼の芸術家としての出発点は写真家だった。写真は“今、目の前にある現実を切り取るもの”だと思われているが、杉本は写真をコンセプチャルアートの手段として捉え、その可能性を無限に広げた。74年にニューヨークに移住した後、一時は古美術商を営んでいた経験から日本美術への造詣も深く、近年は伝統芸能の企画演出に加え、能舞台の設計など活動の幅を広げている。日本、ニューヨーク、南フランス、シドニーと国境を超えた創作の現場に密着し、作家としての素顔と、その視線の先を見つめる。