暴力や病気と常に隣り合わせの、儚く過酷な運命を生きる娼婦たち。高級娼婦の彼女たちが見せる様々な表情を、見事な映像美で描いた群像劇。監督は、「ティレジア」に続き、本作でもカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出されたベルトラン・ボネロ。クラシックの音楽家という一面も持つボネロ監督は、光と音楽を緻密に配置した絵画を思わせる芸術的映像で、20世紀初頭パリの優雅でデカダンスな娼館を美しく再現する。R18相等。『未体験ゾーンの映画たち』の一作として、ヒューマントラストシネマ渋谷より上映された。
ストーリー
20世紀初頭、華やぐパリ。高級娼館‘アポロニド’の女たちは、毎夜美しく着飾り、男たちの欲望を満たす。しかし、美しく華やかな表舞台とは裏腹に、娼館の日常は女たちの孤独、苦悩、不安、痛みが渦巻いている。娼館一の美人だったが、客の男に騙され、顔に酷い傷を負ったマドレーヌ。自分の常客に本気で恋をし、いつか彼が娼館から連れ出してからくれることを信じるジュリー。若いときから12年もの間娼館で働き、先が見えないレア。美しく華やかな世界に憧れてやってきた16歳の新人ポーリーン。そして、女たちに金を貸し、彼女らを決して手放さない家主マリー・フランス。しかし、娼館と女たちを取り巻く状況が次第に変わっていき、閉館を余儀なくされるが……。
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作品データ
- 原題
- L'Apollonide
- 製作年
- 2011年
- 製作国
- フランス
- 配給
- アットエンタテインメント
- 初公開日
- 2012年6月2日
- 上映時間
- 125分
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