東京アイヌ協会を設立し、萱野茂氏を首都圏で支える会の会長を務める浦川治造のドキュメンタリー。“アイヌプリ(アイヌらしい生き方)”を実践する彼の暮らしや言葉に触れながら、自然と人間の共存を考える。監督は、映画プロモーションなどの映像演出を手掛けてきた小松秀樹。ナレーションは、「ワイルド7」の宇梶剛士。
ストーリー
北海道浦河町出身の浦川治造さんは現在73歳。当時わずかに残っていたアイヌ集落で生まれ、父親からアイヌの伝統的な知恵や技術、自然との共存を大切にする“アイヌプリ(アイヌらしい生き方)”を日々の暮らしで学んだ。生活のため40代で上京した後も、強靭な体力と精神力を武器に働き、その一方で日常的にアイヌプリを続けた。治造さんの周りにいつもいる大勢の仲間たちに話を聞くと、治造さんの様々な素顔が見えてくる。次女の正美さんは、子供のころは家にあまりいない人だったと言い、長女の真喜子さんは会うたびに新しいことを言っていると語る。アーティストの結城幸司さんは、アイヌ文化を語るとき知識や気取りから入ることが多いが、治造さんは飾らない正直な人だと言う。治造さんの20年来の親友・橋守さんは自分の方が年上なのに、治造さんを親父と呼ぶ。俳優の内藤智さんは、治造さんが大きい鹿を1日に2頭捕った自慢話を、酒の席でいつも聞かされるというエピソードを披露する。美しい山々や星の輝きなど、北海道の雄大な自然の中で繰り広げられる幻想的なアイヌの唄と古式舞踊、伝統と文化を語り継ぐアイヌ語の厳かな響きを通して、自然と人間の共存を考える。治造さんの甥で、俳優の宇梶剛士がナレーションを務めた。
スタッフ
監督、撮影、編集、構成
小松秀樹
撮影、プロデューサー
長谷川京子
撮影
曽我重善
撮影
森谷博
音楽
岳人山
照明
森浦良太
制作進行
木庭陽子
企画
さとうち藍
プロデューサー
田中美知太郎
ライン・プロデューサー
今泉吉明
ビデオエンジニア(VE)
横山貴生
題字/タイトル