監督、編集
在来作物を巡るドキュメンタリー。在来作物を調査する研究者、独創的なイタリア料理に仕立てる料理人、種を守り続けてきた生産者などの姿をカメラに収め、次の世代に在来作物を伝える人と人とのきずなや、作物とともに養われる多様な価値観を見出していく。監督は、「湯の里ひじおり-学校のある最後の1年-」の渡辺智史。
ストーリー
何十年、何百年という世代を超え、味、香り、手触り、さらに栽培方法、調理方法を現代にありありと伝える“生きた文化財”である在来作物と生産者に出会い、食と農業の豊かな関係を見出した人々を追う。ある研究者は山形県内の在来作物を調査し、伝統的な栽培方法の意義や、食味成分を調べている。ある料理人は、苦い、辛いといった在来作物の特性を生かした独創的なイタリア料理を作り出す。ある生産者は、誰に頼まれたわけでもなく、在来作物の種を守り続けてきた。彼らには、失われつつある農業の姿が秘められている。学校の校庭で、農業や食を学ぶために在来作物が育てられ、地域の宝物としても見直されつつある。次の世代に在来作物を伝えていくためには人の手助けが必要であり、人と人との繋がり、きずなのなかで、作物だけでなく多様な価値観が養われている。平田赤ねぎ、金谷ゴボウ、甚五右ヱ門芋、外内島キュウリ、鵜渡川原キュウリ、藤沢カブ、だだちゃ豆、民田ナス、宝谷カブ、雪菜、赤根ほうれん草、春のウド等の山菜などの在来作物が登場する。