サスーン・カットといわれる斬新なカットと確かな技術で60年代スウィンギング・ロンドンのファッション・シーンを牽引、現在の美容界に多大なる影響を及ぼしたヘア・スタイリスト、ヴィダル・サスーンの半生を追ったドキュメンタリー。
ストーリー
当時、サスーンのサロンには多くのモデルや女優、著名人が集った。ミニスカートの女王ツィギー、数々のファッション誌の表紙を飾ったトップモデル、ジーン・シュリンプトン……。これまでのスプレーで固めた窮屈なヘアスタイルではなく、「ウォッシュ&ゴー」(=洗ったまま何もしなくても出かけられる)と称されるスタイリングは、女性のヘアだけでなく、生き方をも自由にした。彼の斬新なヘアスタイルはVOGUEの表紙をかざり、ロマン・ポランスキー監督「ローズマリーの赤ちゃん」ではミア・ファローのヘアカットを担当するなど、ロンドンだけにとどまらず世界中に広まっていく。ロンドンの孤児院で育ち、ユダヤ人排斥の波の中で戦争と貧困を生き抜き、国際的な名声をおさめるに至ったヴィダル・サスーン。旧態依然とした美容界に断固たる信念を持って抵抗し、常に新しい変化を求め、やがて美容界のみならず当時のファッション、カルチャーへと変革を与え、時代そのものをクリエイトしていった。渡米、実業家としての成功。今なお影響を与え続ける「ハサミ一つで世界のファッションを変えた男」の軌跡が、ヴィダル本人や彼の家族、VOGUEのグレイス・コディントン、ファッション・デザイナーのマリー・クワントら関係者の証言によって綴られる。