監督、脚本
兵役によってアフガニスタンの前線基地アルマジロに派遣されたデンマークの若い兵士たちの姿を追ったドキュメンタリー。戦場の現実を生々しく捉えるとともに、その中で次第に戦争中毒とでもいうべき状態に陥ってゆく若者たちの姿が収められている。カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを受賞して、大きな話題を集めた。
ストーリー
9か月の兵役に応じたデンマークの若者たちは、1ヶ月の訓練期間の後、アフガニスタンに設置された対タリバンの前線基地“アルマジロ”へと送られる。国際治安支援部隊としてデンマーク軍とイギリス軍が共同で運営するアルマジロ周辺では、一見、平和な農村の日常が続く。タリバンの影響を受けないよう監視する目的で、日々それらの村をパトロールすることが兵士たちの任務だ。ある日、いつも通りにパトロールを開始した部隊に砲撃が加えられる。装甲車も加わって戦闘になるが、タリバンの姿は確認できない。無事を確認するアルマジロからの無線に、負傷者が出たことを報告。そしてまた1人が重傷を負い、本国に送り返される。それまで暮らしてきた平和な都市での生活と、日々緊張を強いられる要塞での任務のギャップも大きく、PTSDで戦闘不能になる兵士も珍しくない。7ヶ月後、若者たちは帰国する。二度と軍務に就かないと言う者、正式に軍隊に入りもう一度アルマジロに行くと宣言する者、反応は様々だ。戦争とは何なのか。そして、命、平和の意味とは……?